「InterVideo DVD Copy 5 Platinum」は、直感的に操作できるわかりやすいインタフェースが特徴の「DVD Copy」シリーズの新バージョン。わずか3ステップでDVDコピー作業を行える。（従来バージョンと同様）同一画面で3ステップすべてを指定できるシングルダイアログ方式を採用する。ページ切り替えをともなうウィザード方式以上に簡単に操作できる。新バージョンでは、モバイルムービーへの対応やHD解像度への対応などが強化された。

新たに強化された機能のひとつが、モバイルデバイス向けに動画を複製する「Copy To Go」モード。iPod/PSP向けのH.264形式エンコードは前バージョンから対応していたが、新バージョンではファイル変換終了後、エンコード済みファイルを機器に転送する「自動エクスポート」機能が追加された。iPodの場合、iTunesのライブラリも自動でアップデートされる。

ハイビジョン解像度（HD解像度）の変換にも対応した。入力は、従来のSD解像度だけではなく、最大1,920×1,080の高解像度ファイルにも対応。WMV-HDに出力することも可能だ。入力ではもちろん、ハイビジョンカメラHDV方式のMPEGを読み込める。

あらかじめ指定した時刻に変換を行うスケジュール変換機能も加わった。指定のファイルを設定スケジュールで変換できるほか、指定フォルダに新しいファイルが確認された場合、「フォルダ監視」機能で自動的に変換することもできる。TVキャプチャボードで録画されるフォルダを指定しておけば、新たに録画されたデータを自動で変換することが可能だ。MPEG-1/2/4、H.264への変換時は、出力プロファイルのカスタマイズも行えるようになった。

DVD複製機能も充実している。DVD読み込み機能では、2層メディアの読み込み/書き込みの双方に対応。1層→1層、2層→2層のコピーのほか、2層8.5GBメディアをトランスコードし、1層4.7GBに変換することも可能だ。

読み込みでは、通常のDVD-Video形式のほか、DVD+/-の両VRフォーマットに対応。DVD-Video形式を変換する場合と同様、タイトルやチャプターを指定した「部分コピー」を行える。

「4」と「5」の機能を比較すると、この1年のパソコンを取り巻く環境の変化がよくわかる。両者の画面デザインや操作性は──もちろん細かなブラッシュアップはされているものの──基本的には同じ。もともと完成された高い操作性を持っていたことを再認識させられる。

強化されたポイントのうち、目立つのがハイビジョン解像度への対応だ。特にハイビジョン方式ビデオ（HDV）への対応は、他のソフトにも数多く見られるものであり、世の中が確実に「ハイビジョン時代」へと進んでいることがよくわかる。

H.264/MPEG-4 AVCへの対応も最近のトレンドだ。「DVD Copy」シリーズでは、昨年11月に追加モジュールとしてH.264への対応をいち早くすませているが、今回の「5」に搭載されたエンコーダでは、エンコード速度の30%の高速化が達成されているという。

モバイル機器への自動コピー機能なども、単に変換できるだけではない、実利用に便利な機能であり、これらが着実に実利用段階へと進歩してきたことを示すものであろう。

DVDコピー、動画形式変換とひと言でいえばずいぶんと単純に思えてしまうかもしれないが、世の中の技術トレンドに合わせて着実に進歩しているのである。