柔軟性の高い振り分けをはじめ、多彩な機能を備えた電子メールソフト。シンプルさと機能の高さを兼ね備え、上級者から初心者まで幅広いユーザ層に対応する。「Eclair」は、マルチユーザ/マルチアカウント対応の電子メールクライアントソフト。メール一覧、プレビュー表示にはタブ切り替え方式が採用されている。対応する文字コードは簡体・繁体中国語、キリル文字など多数。リムーバブルメディアに格納して使用することも可能。外観はOutlook Express風で、メールソフトとしてはオーソドックスなものだが、随所にこだわりを感じさせる個性的なソフトに仕上がっている。
起動してまず目につくのが、タブ切り替え式のメール一覧とプレビュー表示エリア。「受信箱」「送信済み」などのフォルダがツリー形式にまとめられた「メッセージ」ボックスは、フォルダのクリックで、内容がメール一覧にリスト表示される。【Alt】キーを押しながらのクリックでは、そのフォルダを新しいタブとして開くようになっている。選択しているタブ以外をすべて閉じたり、特定フォルダの内容だけを表示するようにロックしたりといった操作も可能だ。
メールのプレビューエリアでも、複数メールをタブで切り替えながら参照したり、現在選択しているメールを含むフォルダに切り替えたりできる。
添付ファイルがある場合はプレビューエリアの一部が分割され、アイコンが表示される。HTMLメールにプログラムやWebページへのリンクが含まれる場合は「このメッセージを信用する」をクリックしない限り、プレビューできない。そのほかにも、HTMLからテキストのみを抽出・表示できるなど、多彩な機能が用意されている。
メール作成画面も外見はシンプルだが、機能は充実している。送信用アカウントや送信者名は、その場で選択することが可能。文字セット(コード)は豊富で、簡体・繁体中国語やキリル、バルト、トルコなどの言語を選ぶことができる。
新規に作成するメールは標準ではテキスト形式。(HTML形式での作成はできないようだが)編集エリア内にHTMLタグを直接記述してからメッセージ形式をHTMLに切り替えれば、HTMLメールになる。
メールの振り分けでは「迷惑メールの振り分け設定」「通常メールの振り分け設定」「ホワイトリスト設定」「ブラックリスト設定」などがある。振り分け時の処理の流れを、ユーザがカスタマイズすることも可能。振り分け条件には正規表現を利用できるほか、重要な設定だけを簡単に行える初心者向けの「簡単振り分け設定」も用意されている。
そのほか、ビューア/エディタ部の表示や引用記号などのカスタマイズ、使用言語に応じたフォントの指定、選択文字列に色を付けられる「ラインマーカー」、キーボードショートカットのカスタマイズ、ウィンドウレイアウトの選択などの機能がある。HTMLメールの場合、最初に表示する本文を「テキスト本文を優先」「HTML本文を優先」から選択できるほか、HTMLパートを表示する際のデフォルト設定を3種類から選択できる。