「ID NoteBook」は、認証ページへのログインやアプリケーションの利用などに必要なID/パスワードをまとめて管理できるソフト。導入のしやすさ、扱いやすさが第一に考えられている。対象ウィンドウが開かれた際、自動的に入力（貼り付け）を行えるほか、タスクトレイアイコンのダブルクリックでも自動入力を行える。ID/パスワードはBlowfishで暗号化保存される。

管理できるのは、

• タイトル（登録アイテム名）
• ID
• パスワード
• 追加項目
• 備考
• Target Window
• コマンド

「コマンド」は、自動貼り付けのパターンを設定するもの。ID/パスワード、追加項目のほか、キーイベントとして【Enter】/【Tab】/スペースを送信できる（実際の登録時は“［ENTER］”のように“［”と“］”で囲んで入力する）。例えば、「ID」「パスワード」を入力して「ログイン」ボタンを押す場合は、

［ID］［TAB］［PASS］［TAB］［ENTER］

「ID NoteBook」は、そうしたことを受けて機能を必要最小限にとどめ、目的を“使いやすさ”の一点に絞ったソフト。ID管理ソフトの「メモ帳」を狙ったとのことだが、まさにその通りのソフトになっている。パスワードの有効期限を設定したり、パスワードを自動生成したりする機能もなく、非常にシンプルだ。

余分な贅肉を落としてきたのは機能だけでない。ソフトの見た目、操作性についても同様のことがいえる。メイン画面の一覧表示は素っ気ないほどで、Target Windowの指定もウィンドウタイトルの文字列を手入力する。しかし、こうした点が筆者には好ましく感じられた。とにかく簡単に、IDやパスワードを忘れないようにしておくためのソフトとしては、この「ID NoteBook」のようなものが一番なのかもしれない。

開発中に苦労した点
タスクトレイのポップアップメニューの内容をユーザの登録内容に合わせて動的に作成する機能と、登録データの暗号処理部分の設計には苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
ショートカットをスタートアップに登録していただくと、パソコンの起動時に立ち上がるので便利かと思います。

今後のバージョンアップ予定
あまり機能を増やして複雑化させることは避けたいと思います。今後は、タスクトレイのダブルクリック以外に自動入力を行う方法の検討、ユーザインタフェースの改善などに取り組んでいきます。