「KH IconStudio2001 Professional Edition」は、アイコン/カーソル用の画像を作成するための専用グラフィックソフト。256色やフルカラーのアイコンはもちろん、半透明アイコンを作成することも可能。メイン画面のレイアウトは、左側に編集エリア、右側には色選択用のカラーパレット。描画ツールはウィンドウの左に、そのほかのメニューは上下のツールバーに配置される。ツールバーは移動させることも可能。

描画用ツールはペンのほか、塗りつぶし、直線、四角形、円形といった図形描画用のものや、マウスクリックした位置の色を選択する「スポイト」、色置換などが用意されている。描画オプションでは、ペンの幅（1ドット〜5ドット）や、単色塗りつぶし/ディザ塗りつぶしを選択できるようになっている。さらに、

• 指定方向に指定ピクセル数だけ影を付ける
• 文字入力
• 貼り付けを行う際、クリップボード内の画像のカラーパレット貼り付けるか、新しいレイヤを作成して、そこに貼り付けるかを選べる「スペシャル貼り付け」

描画エリア全体を上下左右や斜め方向にスクロールすることも可能。例えば、横スクロールして右側に消えた部分は、左から現れる。画像の上下反転や90度回転、自由回転などはツールバーのボタン操作で簡単に行える。

複雑な編集を行う際に便利なレイヤは、枚数無制限で使用できる。作成・削除のほか、レイヤの並べ替え、下のレイヤとの統合、全レイヤの統合といった操作が可能だ。

作成できるアイコンの大きさは1×1ドットから最大256×256ドットまで。1ドット単位で指定できる。色数は2色/16色/256色/フルカラーに加え、透明度指定が可能な32ビットアイコンにも対応する。カラーパレットの編集や最適化なども行える。

その一方では、パレットのカスタマイズなど、機能も充実しているし、オプション設定では256色用の標準パレットをWindows用やMacintosh用、Web用などから選択できるなど、きめ細かい指定が可能で、初心者から上級者まで幅広いユーザ層にお勧めできそうな仕上がりだ。

アイコン画像のピクセル寸法を自由に設定できるのはおもしろい。パソコンのシステムで使用するファイルとしてのアイコン/カーソルではどういうメリットがあるのか、筆者の知識ではちょっと思い浮かばないが、ファイル形式はGIFやPNGにも対応しているので、Web用素材としてのアイコン作りにも利用できるのではないだろうか。

開発中に苦労した点
ターゲット層を初心者からソフトウェア開発者までと幅広く設定したため、使いやすさと高機能の両立を目指したのが苦労した点です。Windows標準のアプリケーションデザインガイドラインに極力準拠し、違和感なく操作できるように注意して開発されています。単なるお絵描きツールではなく、アイコン/カーソルの持つ特殊な仕様を完全にサポートすることを念頭に置いていますが、同時に小規模なドット絵エディタとしても流用できる汎用性も持たせています。

今後の予定
初版の開発から長い年月が経ちましたが、いよいよ次世代のWindows環境であるWindows Vistaが登場しようとしています。Vistaではアイコン/カーソルにも新たな要素が加わる見込みですので、それらへの対応を行っていきたいと思います。