2台のパソコンを接続後、ウィザードに従って数回マウスクリックするだけで、操作が完了するパソコン環境移行ソフト。「ファイナルパソコン引越し2006 PRO」は、パソコンの状態を別のパソコンにコピーすることで、現在使用中の環境をそのまま“引越し”できるソフト。アプリケーションやデスクトップ環境などを丸ごと移行することが可能。移行後に問題が発生した場合は、移行前の状態に戻せる。
移行できる情報はさまざま。移行元のパソコンにインストールされたアプリケーションとその設定、作成・保存されたデータファイル、ブラウザの「お気に入り」、Windowsの設定、パスワードなどのデータと設定を、移行先パソコンにそのままコピーする。(グラフィックボード/サウンドボードなど、ハードウェア自体が異なる場合は再設定が必要だが)ソフトや設定に関しては、ほぼ完璧に移行することが可能。現在使っている環境と同じ操作環境を新しいパソコンに構築できる。
データの移行は、ケーブル接続で行えるほか、CD-R/DVD-Rなどのメディアを使って行うことも可能。ケーブル接続の場合は、2台のパソコンをUSBで直結する専用ケーブルか、イーサネットケーブルを利用できる。互いに通信できるよう正しく設定されていれば、無線LANを利用することも可能だ。
移行操作は非常に簡単。まず、移行元/移行先の両方に「ファイナルパソコン引越し2006 PRO」をインストールし、起動する。ネットワーク/ケーブル接続で転送する場合は、2台のパソコンを接続し、「ファイナルパソコン引越し2006 PRO」起動時の画面で、そのパソコンが移行元か移行先かを選ぶ。移行先の設定はこれで終了。
移行元ではもう少し設定がある。ネットワーク接続の場合、「どのパソコンにデータを移行するか」を選択する。移行先ですでに「ファイナルパソコン引越し2006 PRO」が起動している場合は、自動的に新しいパソコンの名前が選択される。
次に、移行可能な内容の一覧が表示されるので、必要に応じて移行時のオプションを選択する。デスクトップアイコンやIEの設定、スパイウェアと思われるソフトの移行禁止などの設定を行える(通常は初期設定のままで問題ない)。設定が終了すれば、転送が開始され、すべての設定がネットワーク経由でコピーされる。
メディア経由の移行を選択した場合は、移行先と移行元の環境の違いをリアルタイムで判定できないため、移行先に存在しない可能性があるデータすべてをメディアに書き込む必要がある。書き込むべきデータが膨大になる可能性があるが、「ファイナルパソコン引越し2006 PRO」では、「スナップショット」と呼ばれる機能でこれを防止できるようになっている。
スナップショットは、移行先の情報を集めたデータファイルのこと。移行先でスナップショットを収集したのち、移行元で解析することにより、移行先に存在しないデータだけを差分として収集できる。もちろんスナップショットを使用せず、すべてのデータをメディアにコピーしてもよい。
いずれの場合もデータを移し終わったら、再起動するだけで移行元とほぼ同じ環境が移行先に構築される。移行後に問題が見つかった場合は、やり直し機能で移行前の状態に戻せる。