「RadioTracker 2」は、インターネット上に点在するインターネットラジオ局に接続し、指定したジャンルの音楽ファイルをダウンロードできるエアチェックソフト。ユーザが好みの音楽ジャンルを選択すると、マッチした楽曲を放送しているラジオ局をフィルタリング。楽曲をMP3ファイルに保存してくれる。音楽ジャンルは75種類以上が登録済み。カバーアートをダウンロードすることもできる。「RadioTracker」の後継にあたり、指定アーティストや楽曲を自動検索する「ウィッシュリスト」機能が追加された（Platinum版）ほか、登録済みのラジオ局数の大幅な追加などが図られた。

「RadioTracker 2」には、ダウンロード曲の検索機能により、Platinum版とPremium版の2種類がある。Premium版では、ジャンル指定とお気に入り指定という2種類のダウンロードが可能。Platinum版では、さらにウィッシュリストによる検索機能を利用できる。

お気に入り指定は、ユーザがあらかじめ登録したラジオ局から楽曲をダウンロードする機能。ラジオ局を指定する際には、そのラジオ局で放送されている音楽のジャンル、楽曲の最小ビットレート、局名で絞り込み検索を行うことが可能。Platinum版では、検索範囲を「ウィッシュリスト」に合致したラジオ局だけに制限することも可能だ。

「ウィッシュリスト」は、ダウンロードしたいアーチスト名/曲名を用いて、特定の曲をダウンロードできる機能。登録されたすべてのラジオ局から、指定したアーチスト/曲だけを狙い撃ちでダウンロードすることが可能になる。

ただしインターネットラジオ局では、放送内容は常に変化しており、指定したアーチスト/曲がいつでもダウンロードできるとは限らない。そのためウィッシュリストでは、指定した曲が放送される可能性（見つかる頻度）についても表示される。「どのラジオ局がどの曲を放送しているか」のリストをサーバからダウンロードする機能もある。ウィッシュリストで認識可能なアーチスト名は約50,000、曲名は250,000曲以上に上る。リストデータは随時更新されている。

ダウンロード時には、同時に複数の局に接続して並列ダウンロードを行うことが可能。接続するラジオ局の数（最大99）や、ダウンロードするかどうかを決める最低ビットレート、接続速度、ひとつの局に接続し続ける時間上限などは、ユーザが指定できる。

しかし、放送時間や出演者がきっちりと決まっていたテレビ放送と比べると、ラジオ放送のエアチェックは、苦労が多い。とりわけ、音楽番組の中から自分が録音したい曲だけを抜き出して録音するのはかなり大変な作業だ。

狙った曲が放送されることがわかっているなら、番組全体を録音して、その中から目的とする部分だけを抜き出せばよいだろう、といまなら普通に考えるに違いない。しかし、当時の録音機器はみなアナログ記録だった。一度録音したものを、他のメディアに移すだけで音質が大幅に劣化するのである。このため、放送を聞きながら、狙った曲がはじまったら「録音開始」ボタンを押し、曲が終了したらすかさず「停止」ボタンを押すという、涙ぐましい努力をしていたのである。

時代は変わり、いまではインターネットでラジオも聞けるようになった。また曲の切り出しも簡単だ。ずいぶん便利になったとは思うが、しかし、それでもなお大きな問題が残っている。「狙った局がどこで放送されているかわからない」のである。当たり前だ。ほしい曲がどこで放送されているかすぐに検索できたら、誰も有料の音楽など購入しなくなる。適度に「手に入れづらい」からこそ、有料の音楽が成り立つのである。

ところが、「RadioTracker 2」は、この「狙った曲を入手する」という操作を大幅に簡略化してくれる。もちろんいつでも必ず狙った曲が入手できるわけではない。とはいえ、13,000ものラジオ局を網羅して、検索できるのだ。これだけでも曲の入手性は飛躍的に高まる。聞きたい曲はあるが、購入するほどでもない──こんな場合に、非常に頼りになるソフトだ。

新世代のエアチェックツールとして、ぜひ「RadioTracker 2」をご活用ください。