ドローソフトのような感覚で使える文書管理ソフト。「キャンバス」と呼ばれる画面に図を描き、文書ファイルやWebページへのリンクを設定することで、文書の内容や文書同士の関係をわかりやすく表現できる。「Visual Binder」は、チャート作成ツールのような描画機能と文書管理機能を融合させたユニークなソフト。「キャンバス」と呼ばれる編集画面に図形を配置したり、線を引いたりしてチャートを作成し、それぞれの図形にファイルやWebページへのリンクを設定できる。完成したチャートを「運用」モードに切り替えると、(図形の編集ができなくなる代わりに)登録した文書ファイルやアプリケーション、Webページなどを開くためのランチャとして機能する。
図形編集モードのユーザインタフェースやツール類は、ビジネスグラフィック用のドローソフトに似ている。ツールには直線や折れ線、矩形、楕円などの描画、文字入力用のものなどが用意されている。ツールパレットには六角形や吹き出し、矢印などの図形が登録済みで、ドラッグ&ドロップするだけで簡単にチャートを描けるようになっている。
図形は、内部の色や模様(ハッチングパターン)、輪郭線の幅や太さなどを指定できるほか、文書ファイルやアプリケーションへのパス、WebページのURL、他のキャンバスなどへのリンク情報を設定できる。文書ファイルへのリンク指定は、エクスプローラなどからのファイルのドラッグ&ドロップで行うことも可能。そのほか図形編集モードでは、図形位置の固定・解除、重なり順の変更、複数の図形のグループ化などの機能も利用できる。
文書管理機能を利用するには、キャンバスを運用モードに切り替えるだけでよい。図形編集モードでリンク設定しておいたオブジェクトをマウスでポイントすると、リンクの内容に応じて、マウスポインタがファイルやWebページを示すものに変化する(ただし、アプリケーションへのリンクは変化しない)。ダブルクリックでファイルを開いたり、Webページにアクセスしたりできる。
キャンバスは名前を付けて保存できるほか、リンクされた文書ファイルをひとつのフォルダにコピーしてまとめて保存することもできる。さらに「バックアップ」機能を使うことで、キャンバスファイル自体とリンク先ファイルのすべてをひとつのファイルに圧縮保存することも可能だ。
オプションでは、キャンバスサイズの指定やキャンバス背景色の変更、リンクの確認などを行うことが可能。リンクされたファイルと同じフォルダに同じ拡張子を持つファイルがある場合、それらもまとめてコピーしてくれる「ファイル種別設定」も用意されている。