「SecureDivider」は、重要なファイルに対して「暗号化」「分割」という二つのセキュリティ対策を施せるソフト。第三者の目から隠したいファイルを指定すると、二分割化と暗号化が同時に行われ、内容を参照できなくなる。復元するためには、分割された二つのファイルを指定する必要がある。

「SecureDivider」では、（隠したい）対象ファイルが、

• （元ファイル名）.fst
• （元ファイル名）.scd

分割されたファイルを復元するには、復元画面で二つの分割ファイルを指定しなければならない。「ユーザが一方を指定すると、もう一方が自動的に判別・表示される」というようなことはない。したがって、分割ファイルの存在するパスを両方とも知っている人以外には、復元することができない。復元したファイルの保存先は、任意のパスまたはfst/scdファイルのいずれかと同じフォルダを指定できる。

オプション設定では、fst/scdファイルをアプリケーションに関連付けることができるほか、エクスプローラのコンテキスト（右クリック）メニューに「分割」「復元」を追加することもできる。ただし、いずれの場合も起動されるのはメニュー画面で、分割ファイルをあらためて指定しなければ復元できないことに変わりはない。

我々の周りにはパスワードが溢れていて、パスワード管理が大変だ。面倒だというのでパスワードというパスワードをすべて同じものにしてしまったりして、「それでは何のためのパスワードなのかわからない」ということにもなってしまう。

その点、「SecureDivider」では、分割ファイルの一方をリムーバブルメディアに入れて携帯するなどすれば、ファイルの中身を見ることは不可能になる。そこまでせずに、二つの分割ファイルを別のフォルダに置くだけでも効果はかなり大きいだろう。

手軽に、しかも面倒なパスワード管理なども必要なく、効果的なファイルの隠蔽が可能になる、おもしろいソフトである。

開発中に苦労した点
暗号化はWindows標準のものを使っていますが、考えた分割アルゴリズムを実現するのに苦労しました。そのため、ファイル名以外は元のファイルがどのようなものか絶対にわからないようにできました。

ユーザにお勧めする使い方
「SecureDivider」という名の下、機密ファイルの受け渡しや、他の人に見られたくないファイルを隠匿するのに役立つと思います。

今後のバージョンアップ予定
今後は、分割復元時にパスワードを入れるようにすること、暗号化アルゴリズムに複数のを選択できるようにすること、ファイルを99分割までできるようにしたいです。