オンデマンドスキャンやリアルタイムスキャンによるウイルス駆除に加え、スパイウェア駆除やネットワーク攻撃からの防御も可能なセキュリティ対策ソフト。シンプルな画面ながら、常駐させておくだけでさまざまな危険からパソコンを守ってくれる。「カスペルスキー アンチウイルス5」は、“ウイルス検知率世界No.1”(AV-Comparatives、2005年8月調べ)を誇るセキュリティ対策ソフト。標準設定でウイルス駆除に対応するほか、「拡張データベース」に切り替えることで、アドウェアやハッキングツールなどの有害プログラムにも対応する。
有害プログラムの検出方法は、オンデマンドスキャンとリアルタイム保護の2種類。オンデマンドスキャンは任意時点で実行することが可能。スキャン終了後にまとめて結果が表示され、ユーザが処理方法を指示する。リアルタイム保護は、有害プログラムの活動を常に監視。不正プログラムの活動を検知したり、ダウンロードを行おうとしたりした時点で警告を発し、ユーザがその場で処理を選べる。オプション設定により、オンデマンドスキャンの場合でも、不正プログラムを検知するたびに処理を選べるようにすることも可能だ。
処理方法として「スキャン終了後に処理を行う」「検知した時点で、そのつど処理を選ぶ」以外にも、「推奨処理を実行する」「危険なオブジェクトを削除する」「ログに情報を書き込む」がある。「推奨処理を実行する」はさらに、
- ウイルスに感染しているファイルは、ウイルスを駆除して無害化する
- 感染している疑いのあるファイルは隔離する
- 無害化できない場合は削除する
に分かれる。「危険なオブジェクトを削除する」の場合はユーザに確認せず、ただちに削除を行う。「ログに情報を書き込む」では、ログに記録するだけで無害化や隔離は行わない。削除されたファイルは「バックアップ」領域に移され、ここでさらに削除を実行することで完全に抹消される(いったんバックアップ領域に収容されたファイルも復元できる)。感染が疑われるファイルをユーザが直接指定して隔離することも可能。隔離ファイルのリスト上でスキャンを行って、感染しているものを抹消したり、安全なものを復元したりできる。
オンデマンドスキャンでは、エクスプローラでファイルを選択し、コンテキスト(右クリック)メニューからスキャンを実行できるほか、特定のドライブやフォルダ/ファイルだけをスキャンすることも可能。スキャン対象としてドライブ、システムメモリやブートセクタ、メールボックスなどの項目があらかじめ用意され、すぐに選択できるようになっている。ユーザが任意にフォルダ/ファイルを登録した場合は、一度使用した設定が自動的に記録され、次回からはチェックボックスにマークするだけで利用できる。
オプションでは、リアルタイム保護、オンデマンドスキャンそれぞれの保護レベルや処理方法を選べるほか、
- 定期的なオンデマンドスキャンのためのスケジュール設定
- ウイルスの判定に使用するデータベースの選択(標準または拡張)
- スキャンから除外するオブジェクトの指定
- データベースの自動アップデート間隔の指定(最短1時間から最長1週間)
- 隔離やバックアップを行う際の最大ファイルサイズや保存期間の指定
などを行える。これらの設定は「プロファイル」として保存することができ、再利用できる。そのほか、サポートセンターに質問のメールを送信したり、疑わしいファイルを添付して分析を依頼したりすることも可能。「ウイルス百科事典」というサイトにアクセスして最新のウイルス情報を参照したり、有害プログラムの基本的な特徴や歴史に関するコンテンツなどを読んだりもできる。