「Free Typing」は、“初心者から上級者まで練習できるよう”配慮されたタイピング練習ソフト。三段階の練習モードが用意され、初心者でもステップアップしながらキーボード入力を練習できる。練習後には、キーごとの正しい入力回数/ミス入力回数などを確認することが可能。同梱された問題を練習できるほか、ユーザが問題を自作して練習することもできる。練習画面はシンプルなデザインでわかりやすい。ローマ字入力に対応する。

用意された練習モードは「基礎練習モード」「実践演習モード（ひらがな編）」「実践演習モード（漢字仮名交じり編）」。問題文は「いろは歌」「ことわざ」「コンピュータ用語」「五十音」「四字熟語」「国名」「徒然草」「歴史上の人物」「英単語」の9種類、計18本から選択できる。問題文は各モード共通で利用する。

「基礎練習モード」は、タッチタイピングとローマ字入力の基礎を学習するためのモード。画面上には例えば、「いろはにほへと」という問題文と、対応したローマ字「irohanihoheto」が表示される。ユーザは指示された「irohanihoheto」を正しく入力すればよい。仮想キーボード上に「次に打つキー」を表示させることが可能で、ディスプレイだけを見ながら、タッチタイピングの練習を行うこともできる。設定により、仮想キーボードを非表示にすることも可能だ。

入力ミス時には画面がブルブルと揺れ、正しく回答するまで先に進めない。入力ごとにポイントが加算され、ミスタイプ時には減点される。また、キー入力時やミスタイプ時にはリズムのよいサウンドが再生される。

終了後には、ミスの回数、所要時間、ポイント（得点）などの成績に加え、「ミスする割合が一番高いキー」「打つまでの時間が一番長いキー」「一秒あたりの打数」「一打あたりの時間」などの結果が表示される。仮想キーボード上には、キーごとに「正解回数」「文字回数」「時間」が表示され、「ミスする割合が一番高いキー」「打つまでの時間が一番長いキー」は色分け表示される。

「実践演習モード（ひらがな編）」「実践演習モード（漢字仮名交じり編）」では、画面上に「親しき仲にも礼儀あり」という問題文と、「したしきなかにもれいぎあり」といった読みが表示される。（初期状態で）IMEが自動起動するので、エディットボックスに、「したしきなかにもれいぎあり」（ひらがな編の場合）、「親しき仲にも礼儀あり」（漢字仮名交じり編の場合）と入力すればよい。終了後には、ミス回数、所要時間、ポイント（得点）などが表示される。

「基礎練習モード」で利用できる仮想キーボードが秀逸で、このモードで特訓し、画面だけを見て文字入力を行うタッチタイピングをマスターすれば、今後の飛躍が期待できる。キー入力時に鳴る音が軽快で、早く正確に入力できているときは、気分を盛り上げてくれる。

練習終了時に表示される、「ミスする割合が一番高いキー」「打つまでの時間が一番長いキー」などの分析結果はとても興味深く、自分のタイプの傾向をつかむことができる。筆者は野球観戦が好きで、解説者やアナウンサーが説明するデータに感心することが多いが、「Free Typing」が提供するデータも、ユーザのとらえ方によってはタイピング改善に資する武器になると感じた。

問題文を作成できるのも楽しい。2行で一問単位の問題文をエディタ等で作成し、指定フォルダに保存すればよい。BGMや問題文の色、背景画像などを指定するのも一興だ。

タイピングマスターには、タイピング練習の質と量が必要だ。「Free Typing」は、タイピングソフトの命ともいえる「正しい方法で楽しみながら練習する」要素を備えており、ローマ字入力による日本語変換をマスターしたいすべての人にお勧めできる。

なお、筆者の環境では問題はなかったが、編集部の一部のテスト環境では「実践演習モード」で文字入力が正しく行われなかったり、文字化けが発生したりする場合があったとのことだった。環境によっては、正常に動作しないことがあるかもしれない。念のために付しておく。

ユーザにお勧めする使い方
タイピングを最初から学ぼうという方は、まず「基礎練習モード」から練習していくことをお勧めします。ここで指の置く位置を覚えたり、キーの配置を覚えたりして、タイピングに慣れていきます。ある程度慣れてきたら、「設定」の項目にあるキーボードの非表示や、次に打つキーの非表時の機能を使ってみるのもいいと思います。このモードで慣れてきたら、次は「実践演習モード」で、実際にタイピングを行うような感覚で練習をします。すでにタイピングに慣れているという方は、「実践演習モード」から進めていくといいと思います。

また、このプログラムでは、自由に問題ファイルを作成できるようになっています。この機能を使って、自分だけの問題ファイルや英単語を覚えながらタイピングなど、楽しみながらタイピングの練習をしてみるのもいいと思います。

あと、BGMとして音楽ファイルを再生することも可能なので、歌詞を打ち込みながらタイピングや、好きな音楽を聴きながらタイピング、ということも可能かと思います（問題ファイルの作り方の詳細等は、同梱のマニュアルをご参照ください）。

今後のバージョンアップ予定
私自身、来年大学受験なので、あまり大掛かりなバージョンアップは予定しておりません。当面の間は、不具合修正や細かい機能の追加に努めていきたいと思っています。要望や不具合等ありましたら、連絡していただければ幸いです。

最後に
デバッグに協力していただいた方、いくつかの助言をくれた方々、この場をお借りして、本当にありがとうございます。また、このソフトを使用されるみなさま、こんなソフトですが、使っていただいてありがとうございます。