総合セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター」のトレンドマイクロが発売するスパイウェア対策ソフト。主要セキュリティ対策ソフトと併用できる。「スパイバスター2006」は、パソコンのセキュリティに悪影響を与えるスパイウェアの予防・検出・駆除を行える対策ソフト。スパイウェア特有の痕跡を調べるなどで、総合セキュリティ対策ソフト(ウイルス対策ソフト)よりも高い精度でスパイウェアを検出できる。
「スパイバスター2006」の機能は大きくわけて三つ。
- スパイウェアの侵入を予防する「監視」
- 侵入してしまったスパイウェアを探し出す「検索」
- 発見したスパイウェアを取り除く「駆除」
「監視」機能では、Windowsの設定やInternet Explorerの各種設定など、スパイウェアによって変更されることの多い設定を常時監視。変更されようとしている場合、自動的に警告してくれる。(ウイルス対策ソフトのようにファイル中の特定パターンを探すのではなく)ソフトの動作を監視するため、より精度の高い検出を行えるのが特徴。監視対象となる項目は、スパイウェアが書き換えることが多いhostsファイル、スタートアッププログラム、サービス、セキュリティポリシー、Windows Updateの設定など。IEの設定では、スタートページ(ホームページ)のURLや検索ページの設定、プロキシ設定、セキュリティ設定などで、全部で約150項目にも及ぶ。
「検索」機能では、スパイウェア本体のファイルを検索するほか、メモリ内のデータやレジストリ設定など、スパイウェアが書き換えることの多い部分もあわせてチェックする。「スパイバスター2006」がインストールされる前から侵入していたスパイウェアを検出することも可能。検索機能では、スパイウェアに改変されやすい領域のみを高速に検索する「クイック検索」、システム全体をチェックする「フル検索」、あらかじめ検索対象などを指定する「カスタム検索」の3種類のモードがある。
「駆除」機能では、発見されたスパイウェアを削除して無効化できるのはもちろん、関連するファイルやレジストリを自動的にバックアップすることもできる。スパイウェアには、プログラムと密接に結びつくものが多く、単純に削除しただけではアプリケーションが動作しなくなったり、悪影響を与えたりすることがある。このため、削除によって問題が発生した場合、一部の設定を復元することで、動かなくなったソフトウェアを復旧させる。
スパイウェアの中でも亜種(変種)が多く、検出・駆除が非常に難しいといわれる「CoolWebSearch(クールウェブサーチ)」に対しては、ピンポイントで駆除できる専用ツール「CWShredder」が搭載されている。
スパイウェアを検出・削除する機能のほか、セキュリティを高める補助機能も搭載する。例えば、IEが記憶するユーザID/パスワードの入力履歴、Webページの訪問履歴、Cookieファイル、Windows Media Playerやインスタントメッセンジャーの設定ファイル、ログファイル、履歴ファイルなど、スパイウェアが狙うことの多いプライバシーデータを削除できる。特定のフォルダ/ファイルを、アンデリート機能などでも復元できないように削除する「シュレッダー」機能も用意されている。
「ウイルスバスター2006」「ウイルスバスター2005」はもちろん、「ノートン・インターネットセキュリティ」「ノートン・アンチウイルス」「マカフィー ウイルススキャン」「ウイルスセキュリティ」などと併用できる。