「EmEditor Professional」をご利用いただき、誠にありがとうございます。今回のメジャーバージョンアップでは、通常より長い期間のベータ版によるテストを行い、多くのユーザのみなさまのフィードバックをいただくことができました。そのおかげで、完成度がより高くなっており、正式版が公開されてからほぼ1ヵ月が経つ本原稿の執筆時点においても、ほとんどひとつも不具合は見つかっておりません。ベータ版のテストに協力していただいたユーザのみなさまには大変感謝しております。今回のバージョンアップでは、目立たないのですが、内部的には大きな変更を行っています。従来は、1個の文書に対して1個のプロセスが実行されていました。そこで、多数のファイルを一度に開こうとすると、動作が非常に遅くなるだけでなく、システムのメモリやリソースをそれだけ多く消費してしまう結果となっていました。さらに、これはOS(オペレーティングシステム)の限界なのですが、Windows上で同時に実行できるプロセス数には限界があり、数百個以上のファイルを同時に開けないという問題がありました。
この限界を打ち破るため、「EmEditor Professional v5」では、複数のファイルを開いている場合でも、常に単一プロセスとして動作するように改良されました。さらに、複数のウィンドウを表示している場合は、マルチスレッドで動作するようになりました。これによって、多数のファイルを一度に起動した場合でも、速く安定した動作が実現できるようになりました。
多くなった機能のひとつに、強化されたタブ機能があります。今回のバージョンでは、タブをファイル名順、種類順、更新日時、アクティブ順に整列できるようになり、自動整列の設定も可能になりました。また、ウィンドウの幅に入りきらない場合に各タブの幅を調節したり、複数の列で表示できるようになりました。従来のように単にウィンドウを結合しただけでなく、単一プロセス、単一ウィンドウ上で動作するようになったため、安定した操作が行えます。
機能が多くなっても、安定した動作がともわなければ、安心して利用することはできないでしょう。今回の正式版公開にあたっては、バグが完全になくなるまでは、公開しないと決意していました。そのため、あらゆる方法でコードの見直し、テストを繰り返してきました。100個以上のファイルを一度に開き、タブの有効・無効を切り替えるという動作を繰り返し行うというようなストレスをかけたテストも行っています。さらに、特定のコードの動作時間を繰り返し測定することにより、大幅な最適化を行い、できるだけ速く動作するように改良してきました。これらのテストと改良の繰り返し、およびユーザのみなさまのフィードバックのおかげで、より安定した正式版が公開できたと思います。
次期バージョンでは、安定性と軽い動作性を損なわずに、さらに要望が多い機能を追加していきたいと考えています。今後も「EmEditor Professional」を末永くご利用いただき、ご質問やご意見がございましたら、フォーラムやメールなどでご連絡いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(株式会社エムソフト・江村 豊)