「携帯マスター16」は、携帯電話のメモリに記録されたアドレス帳、着信メロディ、ブックマーク、メール、待ち受け画像など、さまざまなデータをパソコンに読み出し、編集できる多機能携帯電話メモリ編集ソフト。新バージョン「16」では、携帯電話に記録されたデータをワンタッチで消し去る「消去・マスター」が追加されたほか、GPSデータ/地図ソフトとの連携、おサイフケータイとの連携などが図られた。

「消去・マスター」は、携帯電話のメモリダイアル（電話帳）、電子メール、ショートメール、スケジュール、ブックマークなど、ユーザが携帯電話を使用している間に設定・記憶されるデータを一括で削除する機能。（初期状態では）外部から消去できるデータのすべてをワンタッチで消去する。必要に応じて「メールだけ」「メモリダイアルだけ」といったように、特定の項目だけを選択して消去することも可能だ。ダウンロードされたメロディやカメラ撮影された画像、ムービーなども消去できる（消去可能なデータは、携帯電話の機種によって異なる）。

地図ソフトと連携する機能も追加された。昭文社の地図ソフト「Super Mapple Digital Ver.6」がインストールされていれば、地図画像を切り出して携帯電話の画面上で表示・確認できる。アドレス帳やカメラ画像に付加されたGPSデータをもとに、その場所の地図を表示する機能もある。

新機能「おサイフ・マスター」では、予算管理・金銭管理を行える。最近増えてきたFeliCa対応携帯電話（おサイフケータイ）や、Suica/Edy/ICOCAなどの非接触型ICカードの利用履歴をあわせて管理することが可能。月ごとの予算達成状況や収支管理などをビジュアルに管理できる。

従来からの機能も強化された。携帯メモリ編集ソフトとしてはユニークなはがき作成機能「レイアウト・マスター」では、2006年版のはがき作成に対応した。カメラ付き携帯向け機能「アルバム・マスター」では、赤目補正、シーン別の自動補正などが強化された。

ワンクリックでデータをバックアップ/リストアできる「バックアップ・マスター」も使いやすい。「消去・マスター」と組み合わせれば、これまでの情報を失うことなく、新機種にデータを移すことができ、さらに旧機種の情報を完全消去できる。

長期に渡って携帯を使い続けてきた人ならわかると思うが、実際、携帯電話のデータというのはそう簡単に消え去るものではない。もちろん水没させたり、踏んづけたりすれば簡単に失われてしまうのだが、そうした事態に遭わず、“普通に”使い続けていれば、携帯のデータというのはなかなか消えないのである。

では、バックアップ/リストア機能はいつ使うのか。これが必要になるのは、多くの場合、機種変更の場合だ。つまり、古い機種でバックアップをし、新機種でリストアすることで、データを移動するのである。しかし、ここで困るのが「古い機種の中に入っているデータをどうするか」という問題だ。

機種変更の場合に古い機種をどうするかは人それぞれ。なかには携帯電話会社に返してしまう人もいるだろうし、あるいは番号を抜かれた「白ロム」の状態で、友人に譲る人もいるだろう。しかしそのような場合、すでに携帯に入ったデータを手動で削除するのは非常に大変な作業となる。とりわけ最近の携帯は、記憶できるデータの量や種類が飛躍的に増えているため、それらを消し去る手間も並大抵ではない。

だからこそ「携帯マスター16」の「消去・マスター」機能なのである。これさえあれば、ワンタッチで携帯のデータをきれいさっぱり消し去ることができる。いままで手動でやっていた作業が、まさにワンクリックで済む。これは今後のソフトの必須機能といってよいだろう。ただし、データを消去する前にもう一度、すべてのデータをバックアップしておくことを忘れないように。忘れたら、目も当てられない状況になるのだから。

データ消去機能は機種変更のときなど、個人情報の漏えいを防止します。現在の携帯電話には、ひと昔前では考えられないような、個人に結び付く個人情報（社用で使われていた場合には、取引先電話番号やメールデータといった社内情報）が多数含まれており、機種変更後も携帯電話本体に残ったままとなります。この使わなくなった携帯電話をどこかでなくしてしまったとしたら……、とても恐いですね。

GPSデータ/地図ソフトとの連携では、地図ソフト「Super Mapple Digital Ver.6」（昭文社）と連携してアドレス帳やカメラ画像などに付加されたGPSデータから地図が表示可能となっています。例えば、GPS情報を付加して撮影された画像から、撮影場所を簡単に地図表示することが可能となります。

また、FeliCa対応携帯電話やEdy、Suica、ICOCAなどの非接触型ICカードの購入履歴を、収支管理（家計簿）ツールで管理することができます。例えば、ビジネスマンの日々の経費計算やお小遣い管理にも役立ちます。

携帯電話の総合活用ユーティリティとして、さらに充実したソフトウェアとなりました。