「DesignSupport」は、一本でさまざまなコピー方法を使い分けられるバックアップ＆ファイルコピーソフト。複数の設定をタブ単位で登録できる。コピー/バックアップ処理が行われたファイルは、リスト形式で確認することが可能。リストでは、あらかじめ指定した形式のファイルにマークが付けられるほか、リスト上のクリックでファイルアイコンが表示されるようになっており、ファイルの形式をすぐに確認できる。

利用できるコピー機能は5種類。

（1）リビジョンコピー　　対象ファイル中に更新されたものがひとつでもある場合、更新されていないものも含めて、すべてのファイルをコピーする。コピー先には実行日ごとにフォルダが作られる。同じ日付がある場合は、日付の末尾に枝番が追加される。（初期設定では）コピー先フォルダは対象ファイルがあるフォルダの直下に作られるが、オプションで他のフォルダを指定することもできる。

（2）増分コピー　　初回実行時にすべてのファイルをコピーし、以降は更新ファイルのみをコピーする。ただし、対象ファイルの中にリビジョンコピーで作られたフォルダなどがある場合は除外される。コピー先のフォルダは任意に指定できる。

（3）ミラーリング　　コピー元/コピー先のフォルダ内容が同じになるようにする。コピー先フォルダにコピー元にないファイルがある場合は、自動的に削除される。

（4）同期コピー　　ミラーリング同様、二つのフォルダの内容が同じになるようにコピーを行う。ただし、ミラーリングではコピー元にないファイルが削除されるのに対し、同期コピーでは互いのフォルダにないファイルは相互にコピーされる。同名のファイルがある場合は、新しい方で上書きされる。「同期コピー1」「同期コピー2」の二つの設定を登録できる。

（5）上書きコピー　　二つのフォルダ間で、一方の内容をもう一方の内容で完全に上書きする。より新しいファイルがコピー先にある場合でも、コピー元のファイルで上書きを行う。コピーの方向はボタンをクリックで指定できる。コピー元にないファイルを削除するオプションがある。

コピー方法はバックアップ設定ごとに保存され、「BackUP」を実行すると、まず設定された方法でバックアップが行われる。同期コピーの自動実行が指定されている場合は、これを連続して行う。

さらに、それぞれのコピーを単独で実行したり、BackUP/リビジョンコピー/ミラーリング/同期コピーの四つをまとめて連続実行したりすることも可能。上書きコピーは、単独実行でのみ利用できる。

実行結果のリストでは、ファイル名のダブルクリックやコンテキスト（右クリック）メニューから専用のファイラを呼び出し、ファイルを開けるようになっている（コピー先ではなく、コピー元のファイルを開く）。

バックアップ/コピー機能の多彩さはあらためて言うまでもないので、ここではファイル管理ソフト的な側面について指摘しておきたい。上で紹介したように、「DesignSupport」では「バックアップを行ったファイルの一覧」をタブに表示し、そこから関連付けをもとにしてファイルを開くことができる。ということは、業務ごとに必要なファイルを登録したランチャとしても使えるわけだ。

一度開いたファイルはリストの最上位へ移動するので、マーキング機能とも相まって、よく使うファイルはすぐにわかる。コンテキスト（右クリック）メニューでは、バックアップリストへの追加・削除に加え、ファイルそのものの削除、コピーの作成、リネームといったことも可能だ。

「ファイル操作なら何でもできる」というわけではないが、バックアップの下準備としてファイルを管理するという程度なら、かなり使えるレベルに達している。文書を開いて作業し、最後にバックアップして一日の業務を締めくくるという流れを「DesignSupport」一本でまかなうことも可能だ（終了時に自動バックアップしてくれるオプションもあることだし）。

機能的には中級以上のユーザ向けだろうが、初心者が使うパソコンにセットアップしておき、最低限の使い方だけを教えておくというのもアリではないだろうか。

バックアップの仕組みについて
バックアップソフトの多くは仕組みを隠蔽し、世代データを特別なフォルダにまとめてしまうため、参照や復元がしづらく、ソフトがなくなればデータも利用不能に陥るという問題がありました。本ソフトの世代管理は、それぞれの対象フォルダのすぐ下にバックアップフォルダを作る仕組みであるため、管理の状態がとてもわかりやすく、必要なときすぐに参照や復元ができます。また、エクスプローラでも自由に編集ができ、それによってソフトの動作に障害が生じることもありません。

開発中に苦労した点
動作の確実性と信頼性の確保です。バックアップが意図通りに動作しなかったり、ユーザの誤った設定によって必要なファイルや重要なシステムファイルが削除されてしまったりすることは、避けなければなりません。このあたりの確認と調整は、とても手間と時間がかかるのですが、入念なテストと丹念な改良の繰り返しによって、現在では十分に信頼のおける品質に仕上がっていると考えます。

ユーザにお勧めする使い方
本ソフトは、よくあるバックアップするだけの補助ソフトではありません。バックアップの結果を利用して時系列のリストを作り、利用頻度の高いファイルを示すようになっています。このリストからファイルをダブルクリックすれば、直ちに起動でき、ファイルアクセスの効率を著しく高めることができます。

「同期コピー」を利用すれば、リムーバブルメディアを媒体として、会社や自宅、出先といった複数の場所に創作活動の場を広げることができます。

バックアップのための機能が豊富で、個別に柔軟な設定ができますので、設計開発用途だけでなく、ホームページ作成や写真など、個人で作成したあらゆる日常のデータ管理やバックアップに、信頼のおけるソフトとしてご活用いただけると思います。

今後のバージョンアップ予定
まだユーザが少ないせいか、意見・要望をあまり聞きません。これらの意見に耳を傾け、応えていくことは、使いやすいソフトを作る上で重要なことと考えています。どんな些細なことでも結構ですので、ご意見がありましたら、お寄せいただければ幸いです。