「透明テキスト付きPDF」を作成できるソフト。認識したテキストデータを、元原稿と同じ位置にを埋め込んで出力する。「ScanPaper for PDF」は、スキャナを用いた紙文書の取り込み後、自動的にPDFファイル化までを行えるソフト。操作はワンタッチで簡単に行える。あらかじめ指定したフォルダの画像ファイルを自動的にPDFファイル化する機能もある。認識精度の高い「インテリジェントOCRエンジン」を搭載する。
基本となるモードは、ボタンをクリックするだけで原稿のスキャンからPDF作成までを全自動で行う「ワンボタン」モード。ボタンをワンクリックするだけで、自動的にPDFファイルが作成される(スキャナの取り込みモードや出力先フォルダ、出力ファイル名などは、あらかじめメイン画面で設定しておく必要があるが、初回起動時に接続されたスキャナの種類などから最適値が自動設定されるため、通常はユーザが変更する必要はない)。
一般的なフラットベッドスキャナのほか、自動フィード(ADF)機能付きのスキャナや両面スキャナにも対応。ADF機能付きの場合は、もちろんマルチページPDFが作成されるが、フラットベッドタイプでも、ページを読み込むごとに一定時間の待ちを挟んで連続読み取りされるため、マルチページPDFを作成することが可能だ。
スキャナはTWAIN対応機種に対応。PFU製両面原稿対応カラーイメージスキャナ「ScanSnap」にも新たに対応した。TWAIN非対応の独自ドライバだが、他のスキャナと同様に使用できる。
OCRエンジンは、高い認識精度を誇る「インテリジェントOCRエンジン」を搭載。テキストデータ化された内容は、PDFの「透明テキスト」機能を使って、画像情報の裏に見えない文字情報として重ねて記録される。一見しただけでは単なる画像にしか見えないが、テキストデータも合わせて記録されているため、PDFの検索機能などを利用できる。レイアウト情報も認識される。認識結果は元画像中で同じ文字位置に埋め込まれるため、検索結果がどこにあるのかがすぐわかる。
PDFの作成は非常に高速。利用環境に合わせたPDFを作成できるよう、スピード優先/ハードディスク容量優先の2種類の作成モードが用意されている。
あらかじめ指定されたフォルダを監視し、新たに記録された画像ファイルを自動でPDFファイル化する「フォルダ監視」機能も搭載する。デジタル複合機など、ネットワーク接続された機器に自動で画像を転送するような場合や、スキャナ接続されたパソコンと「ScanPaper for PDF」をインストールしたパソコンが異なるような場合に便利だ。
「ワンボタン」は、PDFファイルの作成だけではなく、作成されたPDFを自動的にメール送信する「ワンボタンPDF送信」としても使用できる。また、(1)スキャン、(2)調整、(3)OCR認識、(4)PDF作成という4段階のステップをマニュアルで実行するステップ実行機能も用意されている。「指定したページだけをPDF化する」といった操作も簡単に行える。