長期間パソコンを使っていると、新品のときに比べてディスクの書き込み/読み出しが遅くなったように感じられることがある。これを引き起こしているのが断片化(フラグメンテーション)という現象だ。断片化が発生するするメカニズムについて説明すると長くなるので割愛するが、データが並べ替えられていない表をイメージするとわかりやすいかもしれない。データを並べ替えることで、表の中からデータを探しやすくなるのに似て、パソコンもファイルをきちんと整理された状態で保存していれば、ドライブ本来の読み書きスピードを発揮できる。逆にいえば、断片化が発生したらファイルを並べ替えてやることでパフォーマンスを改善できるわけで、この並べ替え作業がデフラグ(ドライブの最適化)だ。
デフラグ用のツール自体はWindowsにも付属しているが、「Diskeeper」の大きな特徴は、自動実行を簡単に設定できる点と、Windows XP/2000向けの機能がある点だ。特に後者は通常の(OSが動作している)状態では対処できないマスターファイルテーブル(ファイルの保存場所を記録した基本台帳のようなもの)やページファイル(メインメモリの内容を一時的にディスクに保存したもの)もデフラグできる上、これらの容量を最適化することで断片化の発生までも防げるとあって二重の魅力がある。
実は、この「Diskeeper」、Windows XP/2000に付属している「ディスク デフラグ」と同じメーカーの製品(両者のバージョン情報を見比べると同じ社名があるのがわかる)。そこで、両者の機能を比較しようと、「Diskeeper」をインストールしたWindows XP機でアクセサリの「ディスクデフラグ」を起動したところ、ウィンドウタイトルやメニュー周りは「ディスク デフラグ ツール」のままの「Diskeeper」が現れた。つまり「Diskeeper」はOSにも認められた製品の最新フルスペック版というわけで、そういう点からも安心してお勧めできるソフトといえる。
(福住 護)