ソフト開発の方針
Windowsマシンで初めてメールを利用するとき、ほとんどの方がプリインストールされたメールソフトを使ったり、Web上のメールサービスなどをその導入の手軽さ故に使いはじめるのではと思います。では、「メールに慣れた時点で自分に合ったメールソフトを選ぼうとしたときに使ってもらえるメールソフトってなんだろう」という意図で開発しました。メールは誰でも使う頻度の高い汎用のソフトですし、使う目的や利用するネット環境がさまざまで、誰もが満足できるソフトなどないといえるでしょう。カスタマイズという方法もありますが、自由度があるだけに利用者が自分で設定できなくてはならず、維持管理という手間がその分かかります。
「GtoMail」は、素直な使い勝手を優先すること、必須な機能を残し、設定項目の少ない手軽なメールソフトを目標に開発しました。例えれば、万年筆や多機能ボールペンではなく、一本の鉛筆ということです。オプションの機能追加を一切しないということではありませんが、その追加によってもともとの使い勝手を損なうことのないようにと考えております。また、情報の記録・保存について単純なテキストで行いたいという方向も大切にしています。
開発中に苦労した点
当初は、特注ソフトの開発がきっかけでスタートしました。「誰でも使えるメール」という目標を掲げて、手書きの通信手段というコンセプトまで遡って試作を行いましたが、パソコン事情を見直すと時期尚早ということもあり、開発の目標を「シンプルな道具」とし紆余曲折の結果、今回リリースのように「簡単なメールソフト」になりました。
ソフトの特徴など
複数アカウントに対応していますが、エクスプローラ風の操作ではなくアカウントを切り替えて、選択したアカウントの内容だけを画面内で表示するスタイルです。そして、受信メールのフィルタ機能の設定として、受信済みメールを削除する/しない、また送信元アドレスによって受け取る/受け取らないを設定するという簡単なものに限定しています。また、受信メールのBcc表示や送信宛先指定のCcはありますが、操作ミスで失敗を招く送信のBccがないということで、メール機能をフルに使いたい方には評価いただけないかもしれませんが、リスクを減らしてメール初心者の方にも使っていただけると考えます。
一方、JPEGファイルの表示機能を持たせ、メール添付の写真などの表示を外部ソフトに頼らず応答を速くしています。これは外に持ち出して、パソコン環境が変わっても操作感覚が変わらない利点があります。
使い方の提案
動作に必要なファイルが単純に一つにまとまっているため、USBメモリなどに入れて、外出先で利用することを想定しています。メールソフトとして簡単な機能を備えているだけですが、受信メールの振り分けについては次の方法で利用できます。
このソフトの「アカウント」を「グループ」に置き換えて考えていただくと、送信元アドレスのフィルタ機能を使って送信元による受信メールの振り分けができます。例えば、写真同好会のAさん、Bさん、仕事関係のCさん、Dさんからのメールが多いとしましょう。アカウントとして「写真」「会社」「共通」という三つを作成します。アカウント「写真」の名簿にはA/Bさんのアドレスを登録してメールを受信可とするチェックを入れておきます。アカウント「会社」についてもC/Dさんを同じように設定します。そして、この両方のアカウント設定画面の中のフィルタ設定を有効にしておきます。「共通」ではフィルタは無効にして全メールを受信するようにします。「写真」ではA/Bさんとのメール履歴、「会社」ではC/Dさんとのメール履歴が残り、「写真」「会社」とそれ以外のすべての受信メール履歴が「共通」に残ります。「共通」のアカウントで履歴保存を実行しておけば、何らかの受信メールの探し物をする場合は「共通」の履歴だけ外部のエディタで検索すれば見つかります。以上は振り分けのひとつの提案です。
今後のバージョンアップ予定
仕様として使い勝手を向上させることを予定しています。例えば、受信リスト表示のソートやウィンドウサイズなどですが、見た目や操作を変えずに使いやすくできる部分のアップを行ってまいります。外出先で使用する場合のセキュリティ確保として、メール立ち上げ時の認証も検討中です。また、他ソフトとの設定情報の引き継ぎ機能。製品添付資料であるマニュアルの補足。それから一部ネットカフェ等のネット環境からのメール送信も検討課題です。
(メディアクリエ)