女神の生まれ変わりが世界を救うという設定の正統派長編ファンタジーRPG。丁寧な作りのストーリーと、初心者にもやさしいゲームバランスが特徴。はるか昔、人々は戦争で利用するために、破壊と殺戮を目的とする「魔獣ゼーラ」を作り出す。しかし、人間の意に反して自らの意思を持ったゼーラは、人類を滅ぼすという行動に出る。あまりにも強大な力の前に人類が絶滅の危機に陥ったとき、大地の守護神「ルヴィス」が少女の姿で降臨し、聖獣を従えてゼーラを倒した。魔獣の力は三つの神器によって封印され、復活を防ぐために三つの国の国王が別々に守護することになる。
「SACRED FORCE」は、この伝説から1000年後の世界が舞台。神器の一つを守護している「セインフォート王国」の女王は、神器の力が弱まっていることに気づき、魔獣の復活を危惧していた。そんなある日、聖なる力を持った赤ん坊が教会の祭壇に突如現れる。「聖少女ルヴィス」の生まれ変わりと考えられた赤ん坊は「ルシエル(ルーシェ)」と名づけられ、魔法使いの「ロゼッタ」に育てられることになる。
多少ドジではあるものの、明るく素直な17歳の少女に成長したルーシェは、ある日ロゼッタに頼まれて国王に薬を渡しに出かける。ところが、城では国王の息子「リオン王子」が誘拐されてしまう。犯人はリオンと引き換えに、神器「裁きの剣」を差し出すように要求してきた。
ゲームの特徴は、ひと捻りされたキャラクタ設定。世界を滅ぼす魔物や、強大な力を持った封印のアイテム、世界を守るために旅に出る王子など、ストーリー設定はオーソドックスだが、世界を救う聖少女が「明るくてちょっとドジな少女」だったり、仲間になる王子が実は「能天気なプレイボーイ」だったりと、キャラクタ設定は変わっている。
旅の途中では、護衛として同行する堅物の青年や、大財閥のお嬢様でルーシェの姉弟子という高飛車な美少女、異常な怪力を持つ豪快な女性など、さまざまな仲間が加わってくる。シリアスに進行するストーリーと、個性的なキャラクタたちによるコミカルなやり取りを一緒に楽しめるのが魅力だ。
戦闘では、タイムゲージがたまったキャラクタから行動するが、行動を選択している間も他のキャラクタや敵のタイムゲージもたまり続ける。そのため、何をさせるか迷っていると敵に先制されてしまうこともある。選択できる行動は、通常攻撃のほか、MPを消費する「特技」や「魔術」などさまざま。特技は武器を使った必殺技で、レベルアップに応じたキャラクタ固有のものになる。一方、魔術は「魔法屋」で購入でき、誰でも修得することが可能だ。
魔法の購入時に気をつけたいのが「属性」。魔法には地・水・火・風・陽・月・星という7種類の属性があるが、各キャラクタは最大で三つの属性の魔法しか修得できない。また、火の属性の魔法を覚えていると水の属性の魔法を覚えられないなど、修得可能な属性には組み合わせも存在する。さらに、一人が覚えられる魔法は八つまでとなっている。すでに修得している魔法を「封印」すると別の魔法を覚えられるが、封印した魔法は再購入するまで利用できなくなる。強力な魔法は高価なので、各キャラクタごとに覚えさせたい魔法をあらかじめ決めておくとよい。