「Acronis True Image」は、Windowsの稼働中であっても、システムを瞬間的にロックし、ドライブのスナップショットを取ることで、システム領域を含めたバックアップを可能にするソフト。システムを含めたドライブ全体のバックアップをとる場合でも、Acronis Drive Snapshot機能により、DOSモードにする必要がなく、Windowsを操作しながらバックグラウンドで実行できる。

新バージョン「8.0」で強化されたのは、

• スピードアップ＆ディスク容量の削減
• 復元後のファイルシステムチェック
• 優先度設定

「優先度設定」は、バックグラウンドでのイメージ作成処理の優先度を決められるもの。低く設定すれば、動作中アプリケーションでの作業効率を落とさずにイメージを作成できる。別のアプリケーションを動作させる必要のない場合は、優先度を高くすることで、イメージ作成処理を高速に行える。

前バージョン「7.0」に搭載されていた豊富な機能はそのまま継承されており、

• イメージの作成や復元をウィザードで簡単に行える
• イメージを仮想ドライブとして扱い、イメージ内ファイルを閲覧したり、ファイルを個別に復元したりできる
• 前回のバックアップ時との変更部分だけを増分バックアップできる（Ver.7.0まで「差分バックアップ」と呼ばれていたが、「8.0」では「増分バックアップ」となった）

ディスクの破損などでWindowsが起動しなくなった場合の対処として、「Acronis True Image」を単独起動してシステムを復旧させる「Acronisセキュアゾーン」「Acronisリカバリマネージャ」が用意されている点も「7.0」同様。CD-R/FDで起動用メディアを作成しておけば、これらのメディアから「Acronis True Image」を起動できる。「Windowsが起動しない」という万が一のケースが起きても、慌てる必要はない。

といっても今回の強化は「新しいことができるようになった」というよりは、ユーザの使い勝手や安全性の向上を図ったもので、よりソフトとして熟成度を高めての登場ということになるだろう。そもそもバックアップソフトは「万が一」のためという色合いが濃く、しかもシステムそのものに関わるものだけに、最も求められるべきものは「安全性」だといえる。その意味では、今回のバージョンアップの方向性は、当然のことと言ってよい。

さらに、これだけバックアップの重要性がいわれていながら、バックアップを怠って泣きを見る人があとを絶たないのは、バックアップという作業が面倒だというイメージがいまだに根強いためだ。「Acronis True Image」によるバックグラウンドのバックアップではまったくそんなことはない。スピードアップや省容量化、バックアップ時の作業を邪魔しない「優先度設定」の追加と、利便性も向上した。

これだけのものを出されてしまったら、もう「バックアップは面倒くさくて」という言い訳は通用しないだろう。

再インストールの際、パッケージソフトならCDやDVD等のメディアからインストールできますが、ダウンロード購入したソフトはインストール用メディアをわざわざ作成しなければならず、計り知れない手間がかかってしまいます。ダウンロード購入した資産を守るという意味においても、これをお読みになっているベクターユーザのみなさまには、バックアップソフトは必携のソフトではないかと思われます。

パソコン購入時にアンチウイルスソフトをインストールすることはすでに常識となっていますが、万が一ウィルスの攻撃によって重大な障害が発生してしまった場合には復旧ツールが必要になります。システム領域、アプリケーション、各種設定を含むハードディスクの完全なバックアップを可能とする「Acronis True Image 8.0」は、さまざまな障害に対応可能な復旧ツールとして十分な機能を備えており、多くのユーザさまから絶大な支持をいただいています。これからは、最前線でウイルスやスパイウェアを検知・除去するツールに加え、後方（バックエンド）で不測の事態に備えるスタイルの、一歩進んだセキュリティ対策をご提案します。