「Meltice Family」は、統合アーカイバ・プロジェクトDLL対応の圧縮・展開（解凍）ソフト。圧縮、展開、拡張子の関連付け設定などの機能を担当する個別のプログラムがまとめられたアーカイブソフトのパックだ。展開用の「Meltice」、圧縮用の「Frostice」の二つのプログラムが中心で、インストール時に作成されるデスクトップのショートカットアイコンにファイルをドロップするだけで、圧縮・展開できる。拡張子の関連付けを設定しておけば、アーカイブファイルのダブルクリックでも、すぐに展開できる。

「Meltice」では、オプションでデフォルトの展開先フォルダを指定できるほか、「展開処理後にフォルダを開く」「アーカイブファイルと同じ場所に展開する（ONにすると、デフォルト展開先指定は無効となる）」「展開先パスを最適化する」などの指定が可能。「パスの最適化」は、アーカイブファイル名の末尾が数字の場合、展開先に作られるフォルダの名前から数字を省いたりできるもの。アーカイブ名に含まれるバージョンナンバーが割愛されてフォルダが作成されるので、リネームの手間が省ける。そのほかにも、DLLごとの拡張設定や関連付け設定などが可能だ。

「Frostice」では、圧縮先フォルダの指定のほか、「デフォルト圧縮形式の指定」「MS-DOSのファイル名規則にしたがった8.3形式のファイル名指定」「自己展開形式アーカイブの作成」「圧縮レベルの指定」「パスワード設定」「アーカイブファイルの破損をチェックできるMD5ハッシュファイルの作成」などのオプションがある。「Frostice」は、単独で動作するだけでなく、「Meltice」用のプラグインとしても動作する。このため、「Meltice」のアイコンに対応アーカイブ以外のファイルをドロップすると、自動的に「Frostice」を呼び出して圧縮が実行される。

圧縮・展開操作そのものが簡単なほか、インストールから使いはじめまでが簡単なことも特徴のひとつ。「Meltice Family」を利用するには別途、統合アーカイバ・プロジェクト仕様の対応DLLが必要だが、K.INABA氏作の「caldix」が同梱されており、インストール時にボタン一発で最新のDLLをダウンロード/インストールしてくれる。DLLのインストール方法には、「全自動」とインストール先などを選べる「カスタム」がある。「caldix」を任意時点で起動することも可能で、アーカイバDLLを簡単に最新の状態に保つことができる。

展開用、圧縮用の二つのプログラムがあるが、ふだん使うのは「Meltice」だけでOKだったり、展開時に作成されるフォルダからバージョンナンバーの数字だけ省けるオプションがあったりと、細かいところまでなかなか気が利いている。ついでにいうと、melt/frostをもじったと思しきネーミングも、言葉のイメージと役割がマッチしていてわかりやすい。

「いろいろな形式のアーカイブファイルを扱いたいが、アーカイブ内の参照や編集は不要なので、なるべく手軽なソフトがほしい」という人にお勧め。加えて、プラグインの充実によるパワーアップにも期待できる。今後の展開が楽しみなソフトだ。