紙原稿に書かれた文字をテキストデータに変換してくれるOCRソフト。Microsoft Officeや「一太郎」などのアプリケーションと連携し、データを簡単に再利用できる。「読んde!!ココ Ver.11」は、高い認識精度と多彩な機能で定評のあるOCRソフトの新バージョン。データの取り込みから再利用までを1本で行えることから“All-in-One OCRソフト”と名付けられている。Ver.11では、新しい認識アルゴリズムを採用し、かすれ文字やにじみ文字の認識精度をさらに向上させたほか、アドイン可能なアプリケーションにMicrosoft PowerPointが追加されるなど、さまざまな機能強化が図られている。
大きな特徴のひとつが、前バージョンでも搭載されていた「スマートナビ」。「読んde!!ココ」には多彩な認識モードがあり、ユーザが用途に応じた使い分けを簡単にできるよう、スマートナビというメニュー画面が用意されている。スマートナビからは、
- 紙文書をワンタッチで「Word」「一太郎」「Excel」などの文書に変換できる「ワンタッチで認識」
- 認識の処理手順などを設定して自動処理する「カスタマイズして認識」
- 1ステップごとに詳細な設定を行って進める、対話形式の「ステップで認識」
- 他のアプリケーションへのアドインを設定する「Wordなどから認識」
- スキャナとプリンタで紙文書をコピーする「原稿をコピー」
の各モードを実行できる。「ワンタッチで認識」はその名の通り、ワンタッチでスキャンから認識、出力までを行えるモード。元原稿のレイアウトを再現し、他のアプリケーションの文書に変換できる。出力できる形式は、Word/一太郎/Excel/PDFのほか、画像のTIFF形式。音声出力も可能で、原稿の内容を日本語で読み上げさせることもできる。「カスタマイズして認識(OCRファクトリー)」は「ワンタッチで認識」と同様の自動処理モードだが、ステップごとの設定をユーザがカスタマイズできる点が異なる。「画像の読み込み」から「回転」「傾き補正」「ノイズ除去」「保存」などまで、9ステップをユーザが設定できる。「複数置換」機能を搭載し、認識結果に対して複数パターンの文字列を一括置換することも可能。設定は、名前を付けて保存しておくことが可能で、デスクトップに置いた設定のショートカットからすばやく実行できる。
「ステップで認識」は、一般的な手動モード。このモードでは、「読んde!!ココ」のメイン画面が表示され、スキャンや領域抽出、認識、保存といった処理を、逐次行ってゆける。認識結果は、テキストやWord/一太郎/Excel文書、PDF/HTML/CSVファイルなどに保存できる。また、Wordや一太郎などに転送したり、PDFファイルとしてメールに添付したりすることも可能だ。
ステップで認識モードでの画像入力は、スキャナ/画像ファイル/PDF/デジタルカメラ/クリップボードから行えるほか、デスクトップ画面の一部を取り込んで使うことが可能。スキャナからの入力では、両面スキャンにも対応する。認識結果ウィンドウの表示は縦書きにすることもできるので、縦書き書類の認識も違和感なく行える。さらに、他のアプリケーションの文書に変換して転送を行った場合は、文字だけでなく、画像として認識できるものは、図なども画像として貼り付けられる。
アドインできるアプリケーションは、「Word」「一太郎」「Excel」「PowerPoint」「Adobe Acrobat」。設定すると、これらのアプリケーションから「読んde!!ココ」のOCR機能を使えるようになる。そのほか、新バージョンではWeb情報共有支援システム「Webrio Document」との連携機能が追加され、デジタルデータ化された文書を簡単に共有できるようになった。