文章で説明するとどうも難しくなりがちだが、要するに「データの抽出やテーブルの結合、集計などを行うデータベースソフト」だ。ただし、独自形式のデータベースを持つのではなく、汎用的なテキストデータやSQLデータベースを扱えるのがまず第一のポイント。ODBCに対応することで、ExcelやAccessのデータを直接扱うことも可能だ。もうひとつのポイントが、名前の通りの「自動化」だ。例えば、ExcelのデータをAccessに取り込んで何段階ものクエリーやフィルタ処理を行うといった手間のかかる作業も、一度ジョブを作成しておくことで、何度でも繰り返し実行できる。
もちろん他のデータベースソフトでもマクロやプロシージャを駆使すれば自動処理ができるが、かなり高度で、マスターするのに苦労する。それに比べると「ズバリ自動化」の場合、処理の流れがチャート化されていてわかりやすいのに加え、ビューごとにデータをプレビューすることもできるので、処理ステップごとのチェックもしやすそうだ。
自動処理といっても、売り上げを入力したらその場ですぐに在庫がわかるといったリアルタイムな処理には向かないが、いったんまとまったデータを一括加工するような使い方には威力を発揮するに違いない。
基本的な使い方は、例えていえば「住所録ソフトでデータをインポートする」のに近いものがあり、対応する項目名を関連付けていけばよい。標準ビューフィルタの機能に限っても、フィールド同士の結合や文字列の加工、データの抽出などが可能で、テキスト整形ツールとしてもかなり魅力的だ。ちょっと時期遅れになってしまうが、販売管理ソフトの顧客情報を取り出して、年賀状作成ソフトに取り込む際に不要な項目を削除するといった作業をイメージするとわかりやすいだろう。
使い方次第ではおそらく、商品データベースから抜き出した情報にHTMLタグを付加してWeb用の商品リストページを作るといった作業も自動化できるのではないかと思う。リスト形式のデータを大量に、かつ定型的に処理しなければならない人にはぜひ注目してほしいソフトだ。
有効期限1年間のライセンス方式で、ユーザコミュニティサイトではジョブの交換やサンプルの掲載なども行われている。
(福住 護)