標準的な電子文書形式である「PDF」ファイルの作成・表示・管理ソフト。Microsoft Office文書やWebページ、紙文書などの既存文書から簡単にPDFファイルを作れる。「Adobe Acrobat」は、PDF(Portable Document Format)を開発したAdobe社製のPDFファイル作成・表示・管理ソフト。当然のことながら、PDFの持つすべての機能に対応する。注釈やファイルの添付、動画・音声ファイルの埋め込みといった機能を駆使し、高度なPDFファイルを作成することが可能。Microsoft OfficeやInternet Explorer、Visio、AutoCADなどのアプリケーションからワンタッチでPDFファイルを作成することも可能で、複数のアプリケーション文書をひとつのPDFファイルにまとめることもできる。
「Adobe Acrobat 7.0 Professional」は、「Adobe Acrobat」ファミリ最新版の上位版にあたる。今回のバージョンアップでは、
- アプリケーションの起動やPDFファイル作成の高速化
- PDFファイルの管理機能「PDFキャビネット」の追加
- 「Adobe Reader」ユーザとの注釈のやり取り機能の追加
などが図られた。「Professional」版のほかに、一部機能が割愛された「Standard」版もある。新バージョンでまず体感できるのは、パフォーマンスの向上だ。起動速度、変換(作成)速度ともに改善が図られた。変換速度は前バージョンである6.0に対して、最大80%の高速化を実現した。
「PDFキャビネット」は、保存されたPDFファイルをサムネイルで一覧表示するもの。参照日付(履歴)や保存フォルダごとに分類する機能があり、目的のファイルにアクセスしやすい。また、よく使うファイルを「コレクション」としてまとめておくことが可能で、PDFファイルの管理を効率的に行える。さらに、ファイルを開くことなく、複数のファイルからPDFファイルを作成することも可能。電子メールへの添付と送信、印刷などの作業を行うこともできる。
「Adobe Reader」ユーザとの注釈のやり取りは、フリーのPDFファイル閲覧ソフト「Adobe Reader 7.0」で注釈やコメント、電子印鑑などを文書に追加できるようになるというもの。PDFファイル作成時に「Adobe Readerで注釈を有効にする」オプションを指定すればよい。この機能を使うことで、文書の校正や感想などの書き込みが誰にでもできるようになり、情報を文書にフィードバックできるようになる。
さらに、今回のバージョンアップでは、
- 同梱の「Adobe Designer」との連携による高度なPDF/XMLフォームの作成
- 累積的な自動保存機能(元ファイルは書き換えられない)によるデータ消失の防止
- 複数ファイルにわたる高度な検索
- 「Adobe LiveCycle Policy Server」(予定)との連携によるPDFファイルへのセキュリティポリシー付与
などの機能強化が図られている。