油絵の具のタッチをリアルに再現するユニークなペイントソフト。絵の具の厚みを3次元情報として表し、さらに光源を設定することで、油絵ならではの立体的な表現を行える。「Easy Oil Painter 2DX」は、デスクトップ上のキャンバスに、実際と同じような感覚で油絵を描けるペイントソフト。厚みを持った油絵の具がリアルな雰囲気を作り出す。一般的なWindowsソフトとは異なる独特のインタフェースだが、はじめてでも直感的に使うことができる。機能は大きく分けて、ペイントを行う「PAINTS」、レイヤ切り替えを行う「LAYER」のほか、「LIGHTING」「FILTER」「VIEW」の五つがある。
「Easy Oil Painter 2DX」では、油絵の独特なタッチを表現するために、「デフォルト」に加え、「平塗り」「薄塗り」など、計8種類の技法が用意されている。いずれも「太さ」「厚み」「粘度」「α値」「減少率」の各パラメータ値を変えた組み合わせで、プリセットされた技法のパラメータを微調整して利用することも可能。なかでも「厚み」は、実際に立体的なデータを持ち、データをもとに陰影を表すという3次元CGのレンダリングにも似た描画を実現するパラメータ。「粘度」や「減少率」は、値を変えることで絵の具の「伸び」の変化を表現できる。「α値」は、絵の具の透明度を変化させるもので、重ね塗りの効果などに影響を与える。
実際に利用する際は、フルスクリーンモードの画面をキャンバスに見立ててペイントする。キャンバスには計20枚のレイヤがあり、表示のON/OFFや階層の入れ替え、レイヤの統合、透明度の指定などを行えるほか、レイヤに画像を読み込むことも可能。選択中のレイヤに対しては、いったん描いたストロークの回転や拡大・縮小、太さや厚みなどの変更を適用できる。
「LIGHTING」は、光源の位置や色を変えることで、陰影の付き方などを変化させられるもの。光源は複数を指定することが可能で、光の当たり方を変えることでさまざまな効果を演出できる。
「FILTER」は、選択した範囲の色を他の色に変更したり、他のレイヤへ移動したりできるもの。選択の方法には、(1)ストロークの履歴をもとに選択する「TRACE」、(2)矩形の領域を選択する「RECTANGLE」、(3)色と許容値を指定して近い色を選択する「COLOR」の3種類がある。
「VIEW」では、3次元CGのようにビューポイントを立体的に回転させたり、X回転やZ移動を使って、ストロークの位置を立体空間上で動かしたりできる。
利用できる画像形式は、BMPと独自のEP2。BMP画像を読み込んだ場合は最下層のレイヤに表示され、下絵として利用できる。サンプルとしてキャンバスのテクスチャ風の画像が収録されている。