錬金システムをはじめとした複雑なシステムと、難易度の高い戦闘が魅力の長編ファンタジーRPGの前編。「ガーランディルマーズ」の世界では、はるか昔に人間と魔王との戦いがあった。巨大な力を持つ「禁術」と呼ばれる魔法で魔王を倒したものの、暴走した禁術で町は破壊され、多くの人命が奪われてしまう。人々は、偶然戦場にいた少女の身体に禁術の力を封じ込めて封印の鎧を装着させ、さらに、一般市民であった少女を「姫」という待遇でアトラス城に隔離した。
主人公「ディノ」は、このような世界で「邪悪な魔法」を使った謎の少年。魔法を使用したことで、過去の記憶を一切なくしてしまう。本来ならば重い刑に処せられるが、一般常識が奪われただけでなく、言葉さえも話せなくなったことを哀れに思ったアトラス王は、ディノを炭鉱場で働かせながら、剣や学問を習わせる。そして7年後、王はディノに「ある使命」を与えて世界を旅するよう命じる……。
戦闘は、リアルタイムのコマンド方式を採用。MPの下に表示される「バトルタイムゲージ」がたまったキャラクタから行動する。ゲージは常に動いているので、行動選択などに時間をとられると、何度も敵に攻撃されてしまう。戦闘で得られる経験値は少なく、レベルが上がりにくいため、難易度は高い。
オリジナルのシステムとして、「Twice Act!」ゲージと「潜在能力」ゲージがある。ACTゲージがたまると、通常攻撃を2回繰り返すことがある。潜在能力では、キャラクタ名の横に「MAXIMUM」と表示され、コマンドメニューに潜在能力が追加される。これを選択すると、敵に大打撃を与えられる。潜在能力は複数あり、非戦闘時のメニュー画面でキャラクタごとに設定できる。
戦闘を行うとたまるゲージには、非戦闘時に利用できる、全回復の「キャンプ」と、一部回復の「レスト」「コンセントレーション」もある。序盤では回復魔法が使えないので、重宝するはずだ。各ゲージのたまり具合は、非戦闘時にしか確認できないので、注意が必要。また、フィールドマップには全回復を行える「ヒールポイント」が点在している。
もちろん武器の選び方や必殺技、魔法の習得は重要。一部の武器には「*CHAIN」というステータスがあり、2CHAINならば一度の攻撃で2回、3CHAINならば3回攻撃できる。このため、強さを表す「STR」だけを重視していると、かえって不利になることがある。また、各キャラクタの必殺技を習得するには、何度も武器攻撃を行って「スキルポイント」をためる必要がある。魔法は世界各地にいる聖職者などから教えてもらえるが、それぞれレベルが設定されており、キャラクタが設定レベル以下だと、覚えていても使用することができない。
「錬金」も鍵となるシステムだ。錬金は、敵が落としたり、店で購入したりした材料を複数調合して、体力回復やMP回復などのアイテムを作り出せるもの。最初に作成できるのは微量回復の「ドラッグ」程度だが、世界各地で売っている錬金のレシピを手に入れることで、高価なアイテムを作れるようになる。ただし、アイテムの設定レベルに錬金レベルが達していない場合は作ることができない。錬金レベルは錬金を成功させるたびに上がるが、ランダムで失敗することもある。