モデリング、レンダリングからアニメーション作成までをカバーする統合型3Dグラフィックソフト。自由曲面モデリングにより、滑らかな面を表現できるのが特徴。レイトレーシングやラジオシティによるレンダリングを利用することも可能で、高品位で美しいグラフィックを作成できる。「Shade 7.5」は、使いやすさやレンダリング品質の高さなどで定評のある3D CGソフト「Shade」シリーズの新バージョン。レンダリング画像をFlash(SWF)形式に変換・出力できる機能などが追加され、これまで以上に強力になった。
「Shade」での立体モデル作成の中心となるのは、独自の自由曲面モデリング。ベジェ曲線をもとに面を作成することで、ポリゴン型のモデラとは一線を画す、滑らかで美しい面を作り出せる。基本図形は、長方形/円/球のほか、「開いた線形状」「閉じた線形状」で、これらをもとに回転や掃引(平面形状を「押し出す」ことで立体化する)などの機能を使って立体化する。立体化したあとも、ベジェ曲線を編集することで形状を変化させられる。
自由曲面以外にも、メタボールやポリゴンなど、多彩なモデリング方法が用意されている。複数のオブジェクトを演算処理で融合させたり、型抜きしたりする「ブーリアンモデリング」なども利用できる。
作成した形状は「パート」という単位でグループにまとめたり、階層化したりすることが可能。多くの部品からなるモデルも、アウトラインプロセッサで見出しの展開・折り畳みを行うのと同様の感覚で、効率的に管理できる。また、部品に回転や移動などの動きを指定できる「ジョイント」機能もある。人体にポーズをつけるような場合も、腕→手→指といったつながりを保ったままで動かすことが可能だ。
モデルの色や光沢、反射などの質感は、「表面材質」を設定することで表現できる。材質パラメータの編集でさまざまな質感を表現できるほか、テクスチャパターンをマッピングすることも可能。木目や大理石などといった基本的なパターンがあらかじめ用意されている。ユーザが画像を用意すれば、任意のパターンを設定することも可能だ。属性は、一般的な拡散反射や光沢などのほか、凹凸を表現するバンプなども適用できる。
作成したモデルに対して、視線方向やズーミングなどを指定したカメラ設定を登録し、最終的に2次元画像としてレンダリングしたり、アニメーションを作成したりする。レンダリング方法は、高速のスキャンライン、高品位な画像を生成するレイトレーシングなどのほか、影のぼかしなども表現できるパストレーシングにも対応する。間接光の表現もラジオシティやフォトンマッピングなどの手法を選べる。
そのほかにも補助的なツールとして、作品や素材データを管理する「Shade Explorer」、お絵描きソフト感覚で立体モデルが作れる「Magical Sketch」、文字を立体化する「Text Effector(簡易版)」などが付属する。さらに、人体モデル作成用CGソフト「Poser」やマンガ作成ソフト「ComicStudio」と連携する機能、アニメーションをFlashムービー(SWF)として出力する機能などを備えている。