豊富なペン先やブラシパターン、画像フィルタなどを備えた高機能フルカラーペイントソフト。「openCanvas 4 Plus」は、描画過程を記録・再生できる「イベント再生」機能が特徴のペイントソフト「openCanvas」シリーズの新バージョン。「openCanvas 4」では、ブラシ/ペン先ウィンドウなどが一新されたほか、フィルタも新たに9種類が追加されるなど、さらに機能が強化された。高機能版である「openCanvas 4 Plus」では、複数のレイヤをまとめて扱うこともできるようになった。
基本的な画面構成や操作法は「openCanvas 3」を踏襲している。編集中の複数の画像を同時に表示できるMDI形式の画面や、フローティングタイプのコマンド選択ウィンドウと、各種ツールパレット機能を使用して主要な操作を行う点は「openCanvas 3」から変わっていない。標準状態では、ツールパレットは、類似機能が一つのウィンドウにまとめられ、タブ切り替えで利用するようになっているが、タブをドラッグして、それぞれを独立したウィンドウにすることもできる。ディスプレイの解像度や使い方に合わせて、インタフェースを選択することが可能だ。
「openCanvas」シリーズの特徴のひとつであるペン先やブラシパターンは、さらに強化が図られた。鉛筆やマーカー、エアブラシといった、描画に使用する画材(ブラシ)は、実に45種類にも上る。それぞれのブラシの筆先半径や透明度などをカスタマイズできるほか、描画時に模様(スクリーントーン)も付加することも可能。標準で用意されたトーンは45種類。ユーザが既存のトーンを編集したり、新規に作成したりすることもできる。
ペン先は、通常の円形ペンのほか、楕円やブラシ状のものなどを利用できる。また星型など、任意の形状の画像をペン先としてマッピングすることも可能。ペン先の設定は、それぞれを個別にファイル保存したり、「ペン先集」としてまとめて保存したりできる。「openCanvas 3」で使われていたペン先定義方法も「旧ペン」としてそのまま利用することが可能(「旧ペン」は、新機能であるブラシ設定機能とは排他利用となる)。「旧ペン」設定を新しいブラシ設定に変換して利用することもできる。
従来から非常に強力であったレイヤ機能は、「openCanvas 4 Plus」でさらに強化された。レイヤ同士に「親子関係」を持たせて、複数のレイヤを一つのグループとして取り扱えるレイヤのグループ化機能が搭載された。レイヤ同士を統合する際に、通常であればレイヤマスクが完全に不透明化されるところを、透明度を維持したままでレイヤを統合する「レイヤの統合(透明度維持)」機能も利用できる。
レイヤ操作や実際の描画操作など、行った操作を「イベント」として記録し、あとから再生する「イベント再生」機能も健在。ファイル保存したイベントをあとから再生することで、その画像がどのように作成されたのかを、はじめから終わりまで確認できる。イベント再生時には、ウェイトをかけて実行することもできるので、ペンの動きまでよくわかる。