ソフトウェアDVDプレイヤー「PowerDVD」シリーズの最新バージョン。従来バージョンに対して、さまざまな機能強化が図られている。「PowerDVD 6 Deluxe」は、パソコンで高画質・高音質のDVD-Video再生を行えるDVDプレイヤーの最新版。さまざまな機能強化が図られているが、なかでも最大の強化点は、従来に比べて高画質化されたデインターレース機能「スマート デインターレーシング」だ。デインターレースとは、走査線1本おきに飛び飛びに記録されたインターレースのDVD画像を、パソコンで通常使われるプログレッシブ画像に変換する機能のこと。すべてのDVDプレイヤーに備わる機能だが、「スマート デインターレーシング」では、デインターレース時に生じるジャギー(ガタガタ感)やコーミングノイズ(くし状のノイズ)、ぼやけた感じを極限まで取り除くことができる。これにより、60fpsプログレッシブのクリアな画質でDVDを視聴することが可能だ。
カラーコントロール機能では、再生される画像の内容に合わせて、明るさやコントラスト、彩度などを自動的に最適化する「CLEV(CyberLink Eagle Vision)」機能が強化され、「CLEV-2」になった。パソコンの画面でも、よりテレビに近い画質で楽しめる。
オーディオ機能では、サイバーリンク社独自のマルチサラウンド機能が、従来の「CLMEI」からバージョンアップされ、「CLMEI-2(CyberLink Multi-channel Environment Impression technology 2)」となった。ステレオ(2ch)収録された音声を、最大8chもの出力に変換することが可能。マルチスピーカー対応にできる。音声のサンプリングビット数をDVDに記録されているデータの2〜4倍に設定する「Intel High Definition Audio」機能などもある。
再生機能での強化点はほかにもある。注目したいのが、DVD-RメディアにDVD-VR形式で記録したディスクを再生できる点だ(東芝など一部のDVDレコーダで利用できる)。従来、DVD-VR形式は、DVD-RWなど書き換え可能なメディアでしか利用できなかったが、安価なDVD-RメディアでもDVD-VRを使用でき、かつパソコンで再生できるようになった。CPRM対応メディアと対応ドライブを利用すれば、著作権保護された内容でも、パソコンで再生できる。VR形式ではDVD-VRのほか、DVD+VRにも対応する。
通常サイズ(4:3)のDVD画像をワイド画面(16:9)に伸張する「CLPV(CyberLink PanoVision)」機能や、音声を出力したままで再生速度を0.5〜2倍速まで変化させる「タイムストレッチ再生」機能、2ヵ国語以上の字幕を収録しているDVDで、二つの字幕を同時に画面上に表示させる機能、デュアルディスプレイ対応機能など、従来からの機能はもちろん「Power DVD 6」でも利用できる。
「PowerDVD 6」には、上位版「PowerDVD 6 Deluxe」のほかに、サウンド出力機能が限定された「PowerDVD 6 Express」もある。今回からは再生機能がモジュール化され、あとから機能を追加購入できるようになった。追加機能には、DVDオーディオ再生に対応する「DVD-Audioパック」や、MPEG-4 AVC/H.264対応の「MPEG-4 AVCパック」のほか、DTS音声を再生できる「DTSパック」、MPEG-2 AAC音声を再生できるる「MPEG-2 AACパック」などのモジュールの販売が予定されている。