ゲーム画面のインパクトの強さが印象的なダンジョン探索型RPG。アスキーアートを意識したキャラデザインや独特な言葉遣いによる会話など、笑いどころが満載。「ピグボク」の物語の中心となるのは「エラフ」「オブソ」「クリマ」の3人のパーティ。3人は優秀なアクセス者で、ある使命を帯びて謎の巨大構造体ピグポグにアクセス、内部の探索を図る……(あえてストーリーてを紹介するとすれば、こんなところだろうか?)。ゲームを開始すると、「亡霊雲」に覆われ、視界すら定かではない街中から突如、物語がはじまる。
舞台となるのは、現実空間とは異なるピグポグ内のバーチャル空間。この空間では、リソースの先頭アドレスとサイズを蘇生屋で登録しておくことで、たとえ戦闘などで死亡しても、身体を再構築することができる。また、ナノ・エレメントのアクセス権を取得することで、魔法を使用することもできるようになる。まずは、街の中で蘇生屋を探すことがゲームの第一歩だ。
蘇生屋での登録受付を完了すると、3人の役割分担が確定する。エラフは戦士。強力な武器と防具を装備することが可能で、レベルアップとともに回復魔法と補助魔法を習得できる。オブソは格闘家。素手による攻撃しかできないが、高い防御力を備える。そして、クリマは練乳術師だ。攻撃力、防御力ともに低いが、レベルアップとともに強力な攻撃魔法を習得できる。3人の能力を巧みに使い分けてクリーチャーと戦うことがゲームの基本となる。
クリーチャーとの戦闘はターン制で、戦闘画面右上に表示されるキャラクタの並び通りに攻撃順がやってくる。味方のターンでは、「叩く」による物理攻撃と「魔法」による攻撃や援護、味方の回復、「道具」でアイテムを使用しての味方の回復などを行える。攻撃魔法が使えるのはクリマだけだが、クリマが使う「ソウフウ」などの全体魔法は非常に強力で、初期の戦闘では大きな威力を発揮する。エラフの使う「ボール」(味方の防御力をアップ)や「ゲキアラ」(味方の攻撃力をアップ)といった補助魔法、「イヤシ」などの回復魔法も重要だ。
戦闘が重なり、HPやMPが減少したら、街に戻って宿屋で回復させればよい。また、宿屋では、現在の状況をセーブすることもできる。街まで戻る余裕がないときは、クリーチャーを倒したときに手に入れたり、道具屋で買ったりしたアイテムを使って回復させることも可能だ。
「ピグボク」では、たとえ戦闘で味方のHPが0になってしまっても、パーティが全滅しない限りゲームオーバーにはならない。死んでしまった味方は、蘇生屋に運んで復活させることができる。ただし、蘇生するまでの間、戦闘などによる経験値は獲得できないなどのハンデが発生する。
ダンジョン内には奇妙な装置が設置されている。パズルを解いて装置を解除しない限り先には進めないようになっているが、このパズルがなかなか手強い。パズルを攻略するためのヒントらしきものは用意されているが、どれがどの装置に対するものなのかまったく示されない上、具体的な記載もないため、パズルを解くには直感と洞察力、さらに試行錯誤が必要。また、そのヒントや必要なアイテムなどが遠く隔たったダンジョンに分散して存在するため、パズルを解くためにはゲーム中に存在するすべてのダンジョンを何度も往復する必要がある。このパズルこそが「ピグボク」の最大の“キモ”といってよい。
パズルを解くための操作も独特。ダンジョンの中で装置のある場所に進むと、その拡大画面が表示される。ゲーム中でこの画面のみ、マウスによる操作が要求され、表示された装置をマウスで適切に操作することで、トラップを解除できる仕組みとなっている。