マウスやペンタブレットで書いた手書き文字を、行書体や草書体などの書道風に変換するグラフィックソフト。「崩し」や「かすれ」などの度合いを変更して、さまざまなパターンの「書」を作成できる。「Ougishi Lite」は、手書き文字から毛筆書体を生成できるユニークなソフト。ユーザが、白紙の描画エリアにマウスなどで適当な文字を書き、さらに書体を特徴づけるパラメータの設定を行うことで、文字のデザインバリエーションが生み出される仕組み。用意されたパラメータは「崩し」「筆脈」「連綿」など、全部で7項目。スライダーで各項目を個別に変化させられるほか、「変換表示」の実行で、複数項目のパラメータを自動的に変化させ、連続的に(生成)表示させることも可能だ。
パラメータを組み合わせたプリセット設定に当たるのが「書体」だ。「行書・標準」「行書・細字」「草書」「かな」「かな連綿」の5種類に加え、王義之(おうぎし)、徽宗(きそう)、最澄、小野道風など、中国およびわが国の有名な書家の名を戴いた11パターンが用意されている。
描画エリアには「Drawing A」「Drawing B」の二つのウィンドウが用意され、それぞれに線のなめらかさや色などを指定できる。互いのウィンドウ間で設定値や文字をコピーできるほか、クリップボードへのコピー、文字の一時保存と復活なども可能だ。ウィンドウ上に書いた文字は、全面クリアして白紙から書き直したり、マウスポインタに最も近い文字以降の部分を消したりできる。最後に描いた一文字のみを消すといったことも可能。ドラッグで囲んだ枠内の文字を消去したり、新たに書いた文字で置き換えたりといったこともできる。
書いた文字はそのまま印刷できるほか、画像ファイルにエクスポートもできる。BMP/JPEG/PNGなどの形式に対応する。データそのものはDWFという独自形式で保存される。いったん保存したデータを開き、さらにパラメータに修正を加えるといったことができる。
そのほか描画用オプションとして、用紙上にガイドフレーム(グリッド)を表示させたり、マウスで描画する際の線の質(変換後の文字の質とは関係ない)を設定したりできる。変換表示後に元の線を表示したり、元の線と変換後の線を重ね合わせて表示させたりも可能だ。