あらかじめ登録しておいたキー入力やマウス操作をホットキーで再生できる常駐型のマクロユーティリティ。キーマップの割り当てを変更する機能もある。「Key Bat」は、スクリプトの記述や難しい設定を行うことなく、容易に利用できるマクロユーティリティ。操作の記録だけでなく、特殊なコマンドを登録することも可能で、高度な自動処理を実現できる。特定のホットキー(標準では【Pause】キー)に割り当てられる「インスタントマクロ」、通常の「キーマクロ」に加え、キーボードの【Caps Lock】キーと【Ctrl】キーの入れ替えなどを行える「キーマップ定義」の各機能がある。
「インスタントマクロ」は、ホットキーを押すだけで入力操作をそのまま記録し、再生もホットキーですぐに行えるもの。テキストエディタなどでの編集の際に、行単位での繰り返し作業を行うのに向く。「キーマクロ」は、マクロを任意のキーに割り当てるもので、編集画面で作成できるほか、インスタントマクロの内容をそのままいずれかのキーに割り当てることも可能だ。
「キーマクロ」ではマクロの実行用として、キーボード上のほとんどのキーを割り当てられる。【Ctrl】/【Shift】キーといった修飾キーも、左のみ/右のみ/両方などの組み合わせを指定することが可能。マクロの実行タイミングは、ホットキーを押したとき/放したときのそれぞれに割り当てられる。
さらに、マクロをすべてのウィンドウで実行可能にするか、特定のウィンドウでのみに限定して実行するかも選択できる。対象を限定した場合、ホットキーが押された時点でアクティブなウィンドウをチェックし、指定されたウィンドウである場合のみマクロが実行されるため、アプリケーション専用のコマンドとして利用することも可能だ。
キーマクロでは、単なるキー操作だけでなく、IMEのON/OFFやWindowsの終了/ログオフ、あらかじめ登録しておいたテキストの入力、条件判断による分岐など、さまざまな特殊コマンドを利用できる。実行用のコマンドにファイルを登録しておけば、ランチャ的な使い方をすることも可能。コマンドは「コマンドパレット」という専用のウィンドウ上をクリックするだけで、リストに登録できる。また、マクロに登録したキーやコマンドに応じて、次の処理までの待ち時間や繰り返し処理の回数、条件分岐のジャンプ先などのオプションを設定できるため、かなり複雑な処理を実行させることが可能だ。
「キーマップ定義」では、キーボード上のキーの位置を変更したり、使わないキーを無効にしたりできる。複数の設定を登録することが可能で、入れ替えた設定を常時使用するだけでなく、ホットキーで有効/無効を切り替えたり、自動切り替え機能を使って特定のアプリケーション(ウィンドウ)がアクティブな場合にのみ有効にしたりといった使い方が可能。キーマップ変更機能を応用して、LAN上の他のパソコンのキーボードやマウスを操作することができる。
配布アーカイブには10種類のキーマクロ設定ファイルが付属するほか、ヘルプでも39種類の使用例が紹介されている。プラグインツールでマクロの機能を拡張するすることも可能。サンプルとして、スクリーンショットキャプチャ用のものが1本が収録されている。