「FileCapsule」は、秘密にしたいファイル/フォルダをさまざまな方法で隠せるセキュリティソフト。セキュリティを確保する方法として、大きく5種類の機能を持つ。

• 実行ファイルに埋め込む
• 画像や音に埋め込む
• 暗号化する
• フォルダを隠蔽する
• ファイルを削除する

「画像や音に埋め込む」は、既存のBMP画像またはWAV形式のサウンドファイルにデータを埋め込んで隠す方法。複数のファイルをまとめて埋め込むことができる。復元する場合は、付属のデコーダ（Decoder.exe）を使用する。擬装によって作成されたファイルは、元のBMP/WAVとファイルサイズが変わらないため、サイズで偽装を見分けることはできない（ただし、擬装に使われるファイルが隠したいファイルに比べて、ある程度大きくないとエラーになる）。

「暗号化する」は、暗号化キーを使用してファイルを暗号化するもの。同時に複数のファイルをまとめて暗号化できる。暗号化・復号化の終了後、元のファイルを削除するオプションがある。

「フォルダを隠蔽する」は、フォルダを他のフォルダのアイコンに見せかけるもの。偽装後のフォルダとして「ごみ箱」「マイコンピュータ」「コントロールパネル」「タスク」「プリンタ」「ActiveXキャッシュ」など、計10種類の中から選択できる。

「ファイルを削除する」は、ファイルを“完全削除”する機能。復元ソフトを使っても、ファイルを簡単に復元できない状態にする。

欲をいえば、擬装とファイルの削除は連携させてもよかったのではないかと思う。擬装を施したあとで元のファイルを削除する機能が付いているのは暗号化だけだし、完全削除機能も独立したタブで作業するので、元のファイルを消したいときは二度手間になってしまう。どうせならすべての擬装機能にファイルの削除および完全削除の二つのオプションを付けて、連続処理してくれるとうれしい。

「FileCapsule」の大きな特徴のひとつが、画像やオーディオファイルにデータを埋め込んで隠すという機能だ。しかも、隠す前とファイルサイズが変わらないということだが、当然のことながら隠したい方のファイルが大きすぎると処理ができないので要注意だ。簡単にいうと動画を静止画像に隠すのはさすがにムリがあるということだ。また埋め込まれる側のファイルはBMPまたはWAVに限られるので、場合によっては擬装用に必要なサイズのファイルを別途用意しなければならない。せっかくいろいろな擬装方法をサポートしているのだから、埋め込みにこだわらず、目的に応じた方法を選ぶようにしたい。

暗号化はキーをひとつ登録するだけなので、公開鍵・秘密鍵を組み合わせるような複雑な使い方はできない。あくまでもプライベート用と考えればよいだろう。

開発中に苦労した点
開発中は、脳みそが360度ねじれるような苦労はしませんでした。しかし「ユーザがどうすれば使いやすいか」ということには細かいところまで気を配ったつもりです。強いていえば、上級ユーザ向けに作成するか、初級ユーザ向けに作成するかで迷いました。

ユーザにお勧めする使い方
いろいろな機能を搭載した統合環境であるということを、積極的に利用することをお勧めします。このエディションでは細かい設定ができないので、上級ユーザには少し物足りないかもしれません。初級ユーザには使いやすいと思います。特に決まった使い方があるわけではないので、便利な使い方を発見してみてください。

今後のバージョンアップ予定
Ver.1.01には安全性に多少の不満があるのも事実です。今後は、データ暗号・隠蔽の信頼性を高めながら、便利な機能を付け足していく予定です。作者の技術不足で対応できないかもしれませんが、あると便利だと思われる機能などありましたら、メールや掲示板でお知らせください。