「RUBY南界編〜SOLDIERSラグナロック」の舞台は、「神」や「天使」の存在が当たり前に認められている世界。はるか昔に世界を救い、不老不死となった勇者ケイクは、常に助けを求められることに耐えかね、人里を離れて暮らしていた。ある日、ケイクは空から落ちてきた赤ん坊を拾う。その子は「ミーナ」と名づけられ、ケイクの後継者として育てられることになった。

それから15年後、アーマメンツ国から求められた支援を断ったケイクに代わり、ミーナは自分が戦うことを決意する。軍の中でもエリートが集まる六芒星部隊において、未知の脅威に立ち向かう「第六兵隊」に配属された彼女は、もう一人の主人公である「サツキ」と出会う。サツキは軍の最高指令官である父に対して「母親を殺された」と復讐を誓い、兵士として戦っていた……。

戦闘はターン制を採用。プレイヤーターンで味方キャラを移動させて「攻撃」や「魔法・技」などを行う。相手の物理防御力が味方の攻撃力より大きいと、攻撃ではダメージを与えることができない。ポイントは、フィールド上のアイコンを右クリックし、敵味方のステータスを確認しながら戦闘を行うこと。攻撃に対して反撃がある点にも注意が必要だ。

特殊能力である「魔法・技」は、敵からの反撃を受けない上に攻撃力が高く、ボスですら一発で倒せる場合がある。回復魔法なども存在し、キャラクタごとに使える能力が異なる。発動には「SP」を消費し、SPの回復には高価な薬が必要になる。

敵にダメージを与えると経験値がたまり、一定の値に達するとレベルアップするが、ほとんどのキャラクタの場合はSPしか上がらない。武器や防具を購入することはできないので、敵を倒したときに手に入る「能力アップ」のアイテムか、装備の「その他」を強化して能力を上げることになる。

特に注目したいのは、ストーリー性と個性的なキャラクタたち。基本的にはシリアスな物語なのだが、「ロリコンの天才学者」や「恋人の取り合いをする天界人」など、要所で展開されるコミカルなやりとりがおもしろい。また、戦闘の途中で主人公のフィアンセ（自称）が乱入してきたり、封印された「神」が現れるなど、単調になりがちな戦闘パートを楽しませる演出も随所にみられる。

シミュレーションゲームとしての難易度はそれほど高くない。とはいえ、効率的に敵を倒したり特定のキャラを強くするには、敵味方のステータスに注意を払う必要がある。特殊攻撃を敵が使ってくる敵もおり、場合によっては味方が一撃で倒されることもある。敵の魔法攻撃は味方の「魔法防御」ステータスの低いキャラを狙ってくるので、これを逆手にとって囮作戦を遂行するなど、戦略を楽しむこともできる。

シミュレーションゲーム初心者やRPG好きの人、ストーリーを堪能したいというプレイヤーなど、さまざまな人にお勧めできる作品だ。作者ホームページでは、本作の追加シナリオとなる「PLUS」が配布されている。クリア後に楽しんでみてはいかがだろう。

開発中に苦労した点
とにかく登場人数が多くて、各キャラの設定と性格付けに悩みました。また共同制作ということもあり、原作者様の納得のいく台詞回しを考えるのに苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
まったく関係ない作品を一つにまとめたため、設定が少し複雑に感じるかもしれません。戦闘の難易度は低めにしてありますので、ゆっくり遊んでいただけたらと思います。

今後のバージョンアップ予定
バグの修正はひと通り完了しました。誤字の方が残っているらしいので、ホームページにて随時修正ファイルをアップしていく予定です。