「カシミール3D」は、数値地図や数値地形データを読み込み、3D地図として表示する地図ブラウザ機能を中心に、山岳展望、リアルタイムフライトシミュレーション、GPSデータの解析など、多彩な機能を持つ3D地図ナビゲータ。3Dグラフィック機能「カシバード」では、地図上の任意地点から見た風景を3D CGで再現してくれる。誰でも手軽にリアルな風景を楽しめることが特徴だ。

「スカイビュースケープ 地方都市編」は「カシミール3D」用のプラグインで、都市・都市近郊の航空写真と数値地図50mを利用した3次元シミュレーションが可能になる。さらに、地図データとして世界衛星画像データ（ランドサット画像）も利用できる。

航空写真データが収録された地域は、日本全国560以上の市町村郡。約43,000km²に及ぶ（山域のデータは含まない）。大きな特徴が、レンズによる歪みを補正したオルソフォト画像で提供されるということ。周辺部の歪みが発生する中心投影画像を正射投影画像に変換しているため、地図と同等の歪みのないデータが得られる。解像度は、平面が4m/1pixel、3Dで1m/1pixelとなっている。

ご存じのように航空写真は都市などを上から撮影したもので、自治体のパンフレットでよくお目にかかる。筆者も広いエリアを繋ぎ合わせた航空写真から、自分の家を探した経験がある。航空写真はあくまで上空から見下ろした2D画像だが、これと3Dソフトを組み合わせると立体的な画像を作り出すことができる。地形の凹凸を数値化したものと組み合わせれば、斜め上から見た鳥瞰図なども作り出せてしまう。3Dにマッピング（貼り付ける）する画像は実写の航空写真だから、精密でリアルなイメージが得られる。行ったことのない土地の画像を見るのも興味深いが、自分のよく知っている場所を鳥の視点で見るのは新鮮な驚きがあった。

都市計画などで利用されることが多い航空写真なので、サービスエリアは地方都市だったのだが、今回から衛星画像を使った付加サービスが提供される。ランドサットの映像はよく紹介されているので、見たことのある人も多いだろう。衛星から撮影したものとはいえ、かなり細かいところまで判別できる精度の高い画像だ。このような衛星画像を3D処理することで、航空写真だけではカバーできないエリアも高品質にイメージ化ができるようになる。

精緻な航空写真や衛星画像を個人ベースで取り扱えるようになるとは、ちょっと前には考えられなかったことだが、これもパソコンとインターネットが発達したおかげなのだろう。手軽に試用もできるので、興味を持たれたら試してみることをお勧めする。

日本国内につきましては、いままで航空写真では未提供地域である山岳部も衛星画像がカバーしております。また、航空写真につきましても、現在日本の地方都市を中心に43,000km²をご提供しておりますが、今後、政令指定都市とその周辺を中心に提供範囲を増やしていきます。随時ご案内致しますので、しばらくお待ちください。

本システムの開発の背景は、誰でも一度は見てみたい空からの風景を、手軽に作って楽しめることを目的にしました。「カシミール3D」内にもともと搭載している風景描画機能と、航空衛星画像の組み合わせることにより、超バーチャルな空間画像を作ることが可能です。旅行プランや思い出に、また地理の勉強の一環に使っていただければ幸いです。