ドロー系グラフィックソフトと同様の操作性を持ち、ビジネス文書やチラシなどを効率的に作成できるドキュメント編集ソフト。複数ページの文書を作成することも可能。「ディスカス」は、ページ上に図形や文字を自由にレイアウトして文書を作成できるドロータイプのソフト。描画ツールや文字書式の設定、線種や塗りつぶし指定など、基本的なツールはすべてツールバーにまとめられている。描画ツールは「直線」「円弧」「矩形」「楕円」「自由曲線」「鉛筆」の6種類。自由曲線ツールはいったん多角形を描いたのちに、頂点の部分を【Shift】キーを押しながらクリックするとハンドルが現れ、ベジェ曲線として自由に変形できるもの。鉛筆ツールも単なるフリーハンドではなく、マウスでなぞった軌跡をもとにベジェ曲線を描くため、あとから自由に変形できる。
編集機能として用意されているのは、回転・反転や重ね順の入れ替え、グループ化および解除、オブジェクトの整列、複数のオブジェクトを完全に一体化する「結合」などで、ドロー系グラフィックソフトの知識がある人なら、すぐに使いこなせる。書式の設定では、輪郭線は太さや線の種類(点線、破線など)、矢印の指定などを、また図形の塗りつぶしは色やパターン、透明度の指定などを行える。テキストはフォント/ポイント数/文字色/装飾のほか、上下左右の配置や余白、縦書き/横書きを指定できる。
編集画面にはグリッドおよびルーラを表示させられる。グリッドの間隔は3段階。グリッドへのスナップはON/OFFを切り替えられる。ページに背景画像を指定することも可能だ。
ウィンドウには編集画面のほかに、6種類のビューウィンドウを表示できる。
- オーバービュー:ページ全体のイメージを表示する
- サムネイル:ページの縮小イメージを表示する
- 図形一覧:ページ上のオブジェクトを一覧表示する
- レイヤ:レイヤの重なり状態を表示する)
- ステンシル:パーツ集
- ワークスペース:上記のビューをまとめてタブ切り替えで表示する
「ステンシル」は、ユーザが自由に登録できるパーツ集。複雑な図形やよく使うシンボルをステンシルとして登録することができ、ステンシルウィンドウからドラッグするだけで簡単に配置できる。配布アーカイブには、パソコン関連のイラストやフローチャート記号などのステンシル集が同梱されている。印刷機能は、用紙サイズの指定と縦位置/横位置を選択できる比較的シンプルなもの。文書フォーマットはXML形式をベースにZIP形式で圧縮したもので、保存時に拡張子を.xmlとするだけで、XML形式で保存できる。文書上のオブジェクトのみを画像ファイルとして保存することも可能で、他のワープロソフトなどでも利用できる。対応する画像形式は、PNG/JPEG/GIF/BMP/TIFF/WMF/EMF/ICO。
そのほか、フルスクリーン表示に切り替えるとプレビューモードになり、ページを順次切り替えることでプレゼンテーション用途に使える。
「ディスカス」で作成された文書を表示するための専用ビューア「ディスカス リーダー」も公開されている。