ハーモニカを演奏しながら旅を続ける少年の、行く先々での人々との出会いが魅力的なRPG。レベルアップがなく、一度泊まった街には二度と入れないなど、独特のシステムを採用している。「MELODIES」は、ストーリーが重視され、アドベンチャー的な雰囲気を楽しめるRPG。物語の背景は、リーシャーデン王国のカリパロ王国に対する侵略戦争。1世紀以上昔、高い工業力を持つリーシャーデン王国が己の力を過信し、芸術に秀でたカリパロ王国に対して侵略戦争を仕掛けた。戦いはカリバロの善戦によって長期化し、疲弊したリーシャーデンはカリバロに一定期間、技術や資金援助を行うという条件で和平を実現させた。ゲームは終戦から約100年後の、一見平和に見える時代からはじまる。
主人公のリーオは、特に目的もなく街から街へと旅を続けるハーモニカ吹きの少年。街の酒場で演奏することで生計を立てており、世界各国に点在する街を巡りながら、リーシャーデンやカリパロを旅することになる。街には「城下町として繁栄している」「治安が悪く殺伐としている」など、さまざまなものがあり、住民に話しかけたり、酒場で演奏したりすることで、その街ならではのイベントが発生する。
特徴のひとつが、RPGでありながら、レベルアップの概念がないこと。移動中に遭遇する野生動物などを倒しても経験値はたまらない。リーオの強化は武器や防具の購入で行うことになる。しかも、ほとんどの敵は倒してもお金を落とさないため、戦闘を行うメリットは少ない。道具屋で購入できる「またたびの枝」などを活用して戦闘を回避すれば、早いペースで話を進められる。
装備を整えるためのお金は基本的に、酒場でハーモニカを演奏することで得る。街には昼間に到着するが、宿を取ることで時間が進んで夕方になり、酒場でマスターに話しかけて演奏させてもらう。酒場がない街も多く、この場合は稼ぐことができない。
また、一度泊まった街には二度と入ることができないというルールがあり、イベントの達成や情報収集などは、宿を取る前に済ませなければならない。特に、装備やアイテムの補充に関しては、道具屋や武器屋がない小さな街が多い上、泊まったことのある街の店には再度行くことができないので、必要なアイテムは忘れずに購入しておく必要がある。
訪れる街は、酒場も宿屋もなく野宿するだけの過疎の村から、大規模の酒場を備えた広い城下町までさまざま。街では酒場での演奏のほか、「猫の飼い主探し」や「逃げたニワトリの捕獲」といったミニゲームが用意されていることもある。また、ダンジョンが隣接している街では、攻略するとイベントが発生することがある。ダンジョン内には特定の道具を使わないと先に進めない道や、暗号を解くことで開錠できる扉など、パズル的な要素を持つ仕掛けが用意されている。
旅の途中では、夢見がちな言動の不思議少女・ミクゥや、大人に対する反感が強い少年スリ団のリーダー・ニルなど個性的な人物が多く登場し、プレイヤーの選択によっては、一時的に仲間にすることもできる。それぞれ得意な戦法や必殺技を持っており、うまく戦わせれば、戦闘を有利に進められる。仲間とは街を去る際に別れることがほとんどだが、別の街で合流したり、特殊なイベントが発生することもある。