パソコンの使い方が多様化してきたせいか、一般的のブラウザでは物足りない部分を補ったカスタマイズブラウザをよく目にするようになってきた。顕著になったのはタブブラウザ登場のあたりからだろうか。今回取り上げた「ほぼテキストブラウザ」はちょっとユニークなブラウザだ。タイトルバーやメニューはWindows標準の「メモ帳」にそっくりで、中身の画面は「メモ帳」とブラウザに切り替え可能というもの。ブラウザに「メモ帳」機能が付いたというよりも、「メモ帳」画面に似せたブラウザという方がしっくりくるだろう。設定で画像やリンク下線の表示をOFFにできるため、ちょっと見にはWeb画面と思えない表示にすることも可能だ。
こっそりWebサーフィン用? と思いつつあれこれ試していたが、テキスト主体の設定にしておくと軽くて使いやすいということにあらためて気がついた。掲示板などの場合はこういうシンプルな表示で事足りるし、自分でWebページを作るときも、テキスト情報だけで主要なメッセージを伝えられるようにレイアウトにしておいた方がよいかもしれない。機能的には通常のブラウザと変らないのだが、メモ帳っぽいデザインで表示してみると、同じページの見え方が結構違うものだ。
「メモ帳」機能の方にも結構役立つ場面があった。掲示板などのメッセージ編集エリアは固定サイズの場合が多いが、こちらの好みより広かったり狭かったりということがあるものだ。こんなときに裏画面(?)に「メモ帳」がいてくれると、ひょいっと切り替えて文章を仕上げカット&ペーストで掲示板に張り込んだりできる。逆にブラウザから大雑把にコピーして、整形するときにも役立ちそうだ。
クリップボードからURLを取りこむ機能があるので、複数のURLを「メモ帳」側に並べておいて、巡回していくという使い方もできる。筆者はURLをリストアップして逐次見ていくという使い方を頻繁にするので、「メモ帳」との抱き合わせは便利と感じた。あまり見かけないユニークなデザインのブラウザ、さて、あなたはどんな使い方を発見するだろうか?
(呉 真)