手ぶれなど、デジタルカメラによる撮影で起こりがちなミスを補正できるフォトレタッチソフト。新バージョンであるVer.2では、区別のつきにくい「ピンぼけ」「手ぶれ」の二つを同時に補正するフィルタが追加され、より使いやすくなった。「ピンぼけ・手ぶれレスキュー」は、ピンぼけ・手ぶれを補正するためのオリジナルフィルタをはじめ、さまざまな写真加工用のフィルタが搭載されたフォトレタッチソフト。ソフトの中心機能となるピンぼけ補正、手ぶれ補正では、「フォーカスエイド」「直線的手ぶれ補正」「手ぶれ軌跡補正」の3種類のフィルタが用意されている。「フォーカスエイド」は、撮影時に狙った被写体とは別のポイントにピントが合ってしまった写真を補正するもの。中心となる被写体のピンぼけ感を払拭し、クリアな画像にしてくれる。
「直線的補正」「軌跡補正」の2種類の手ぶれ補正フィルタはいずれも、被写体が暗く、シャッタースピードが遅くなった場合に生じる「ぶれ」を除去してくれるもの。日中、比較的明るい場所で起きる小さなぶれには「直線的手ぶれ補正」が有効。画像が、どの方向にどの程度ぶれているのかを指定すれば、それに応じてぶれを除去してくれる。夜景撮影時など、尾を引くような大きなぶれの画像には「手ぶれ軌跡補正」が適する。ぶれの範囲(幅)を指定すれば、その範囲内でぶれた軌跡を自動的に判定し、補正を行ってくれる(輝点が尾を引くような状態になっていなければ、うまく判定できない場合もある)。
新しく追加された「フィットフォーカス」は、手ぶれとピンぼけの両方が存在する写真に対して効果を発揮するフィルタ。画像のぼけがピンぼけによるものか、手ぶれによるものかが見分けづらい場合でも、手ぶれ・ピンぼけの両方を一度に除去できる。パラメータは最低限、「効果の強さ」を指定するだけでよく、簡単に使える。もちろん、詳細な設定を行うことも可能。補正のタッチ(きつさ)を指定したり、どの部分にピントを合わせたいかを指定したりする機能もある。ピント位置指定機能を利用することで、指定部分のシャープ感を重点的に高められる。
従来バージョン同様、被写体の輪郭をくっきりと強調する機能を持つオリジナルフィルタ「クリアエッジ」も利用できる。単なる輪郭強調フィルタのように、画像のコントラストから輪郭を検出するのではなく、独自のアルゴリズムでエッジを強調するため、自然な感じの写真になる。そのほかにもアンシャープマスク、ぼかし、階調補正など、オリジナルフィルタ以外の一般的なフィルタが豊富に用意されている。
フィルタの適用は、ダイアログ表示ではなく、画面全体が専用画面に切り替わる独特のユーザインタフェースで行う。適用前後の状態を直接比較・検討できるため、効果の状況がわかりやすい。また、どのフィルタにも「標準」ボタンが用意され、すぐにパラメータを初期値にリセットすることが可能。さらにその際、フィルタの典型的な使い方と説明が表示されるようになっており、どのような場合にどのフィルタを適用すればよいのかがわかる。