複数の動画のつなぎ合わせやエフェクトの付加など、総合的な編集機能を備えた動画編集ソフト。新バージョンであるVer.1.5では、ハイビジョン(HD)動画の編集に対応し、従来バージョン以上に応用範囲が広がった。「Adobe Premiere Pro 1.5」は、従来より“プロフェッショナル向け”の位置付けがされる高機能動画編集ソフトの新バージョン。基本的な操作体系や画面構成は、旧バージョンにあたる「Adobe Premire Pro」「Adobe Premiere 6.0」などを踏襲しながら、さまざまな新機能が追加され、より強力な編集ソフトになった。対応OSは「Adobe Premire Pro」同様、Windows XPのみとなっている。
ソフトの中心となるのは、動画をパレット上に並べて編集する「タイムライン方式」のユーザインタフェース。各種パレットの操作性は、従来バージョンとほぼ同様で、旧バージョンのユーザであれば、すぐに操作に慣れることができる。「Premire Pro」シリーズの特徴である、タイムラインの「入れ子」操作ももちろん可能。入れ子を利用することで、作成した複数のタイムラインを、あたかもひとつの動画ファイルのように扱い、別のタイムライン上に並べて操作できるようになる。
利用できるエフェクトやビデオフィルタは、ツールパレット上に整理されている。エフェクトのアイコンをタイムライン上にドラッグ&ドロップするだけで、簡単に適用できる。「ソース/プログラム方式」と呼ばれる2画面構成のプレビューウィンドウが用意されている。プレビューウィンドウでは、ソース画像/適用結果を同時に表示させ、確認できる。また、音声の波形表示やビデオ波形表示なども可能だ。
編集機能ではそのほか、
- ベジェ曲線によるモーションパス設定の対応(従来は直線でしか行えなかった)
- 「Adobe Photoshop」と同様の自動カラー補正機能などの搭載
- 「Adobe Photoshop CS」ファイルへの対応
- 高機能動画エフェクトソフト「Adobe After Effects」プラグインとの互換性の強化
などが行われている。対応する動画/オーディオフォーマットはAVI/WMV/QuickTimeなど。MPEGファイルの直接読み込みなども行える。Ver.1.5での大きな特徴のひとつである、ハイビジョン(HD)サイズの動画編集では、1,920×1,080といった巨大なフレームサイズに対応。動画方式は、480p/720p(プログレッシブ)のほか、1080i(インターレース)をサポートし、地上デジタルやBSデジタル放送向けコンテンツを作成することもできる。
通常(SD)画像編集では、一般的なDV動画のほか、パナソニックの24P対応DVカメラ「AG-DVX100」「AG-DVX100A」で記録した2:3:3:2プルアップの24Pアドバンスモードに対応。キャプチャ/読み込み、24PA DVデバイスへの書き出しも行える。
HDで作成された動画は、Windows Media HDフォーマットで書き出せる。SDの場合は、AVI/DV-AVI/MPEG/QuickTime/アニメーションGIF/TIFF/TARGAなど、さまざまなフォーマットでの書き出しが可能。さらに、DVDライティング機能もサポートし、DVD±R/RWメディアに直接、書き出しを行える。DVD-Video作成時には、Dolby Digital 5.1チャンネルの音声エンコーダを3回まで無料で試用することが可能だ。