“Execute & Backup”略して“ExeBau”がソフト名の由来。ソフト本来の機能は確かにバックアップなのだが、実際に操作していると、むしろ文書ファイル専用の管理ソフトといった印象を受ける。文書ファイルを目的別に整理してダブルクリックでアプリケーションを起動するというランチャ的な性格を持つ一方で、バックアップ作業は基本的に自動処理で、ふだんはあまり意識する必要がないからだ。履歴の確認などは本来、バックアップ/リカバーを助ける目的で用意された機能だろうが、ユーザが直接操作するという点ではむしろこちらの方が目立っている感すらある。
もちろん、これはバックアップ機能が見劣りするという意味ではなく、裏方的に仕事をこなしてくれるので、結果的に目立たなくなっているだけだ。編集が終わったファイルを確実にバックアップしてくれるし、単純な定期バックアップのように更新されていないファイルまでバックアップしてしまうようなムダもない。その上で文書管理に役立つ機能が揃ったことで、全体としては「バックアップ機能も備えた総合的な文書管理ソフト」といった仕上がりになっているのである。
処理対象がファイル単位だけに、たとえ文書ファイルでもフォルダごとまとめてバックアップするような使い方には不向きだ。また、「エグゼボー」を経ないで直接ファイルを編集した場合は当然、監視の対象とはならない。このように、単なるバックアップソフトとはかなり性格が異なるのも「文書管理ソフトの一種」という印象を与える要因だろう。
というわけで、日常的な文書管理に大きく役立ってくれそうなソフトだが、試用中気になる点もあった。ひとつは、監視対象ファイルを登録する際にエラーが出るケースがあったこと。拡張子が「html」のファイルを登録しようとするとエラーになり、そのまま終了してしまった。「htm」に変更したところちゃんと登録できたので、拡張子が3文字に制限されているのかもしれない。
もう一点はテスト環境の問題だが、「エグゼボー」の起動時やテキストファイルを登録しようとしたときに「“notepad.exe” “xxxx.txt”が実装されていません」というメッセージが出る(登録自体は可能)。実は筆者のテスト用マシンはCドライブにWindows 98、DドライブにWindows XPというデュアルブートになっていて、ふだんはもっぱらDドライブのXPの方を使っている。CドライブにXPが入っている別のマシンで試したところでは問題が出なかったため、テスト機が原因のようだ。WindowsがCドライブ以外にインストールされている方はご注意いただきたい。
(福住 護)