「GraphicsCompare」は、コンピュータ内にある画像ファイルを比較し、類似または重複したものを整理できるソフト。検索方法は大きく、

1. 同一フォルダ内にある類似画像の比較
2. 異なるフォルダ間での類似画像の比較

メイン画面には、検索結果を表示するリストと、検索された画像を比較するためのリストがある。検索結果リストには、見つかった二つのファイルの名前とそれぞれのパスのほか、「差異」という項目がある。「差異」は画像の違いを数字で評価するもので、ほとんど同じ画像と見なした場合は「同等」となる。

画像比較用リストでは、二つの画像のサイズやカラー深度、縦横比、ファイルサイズ、作成・更新日時を確認できる。また、プレビューエリアには二つの画像が並んで表示され、ユーザが目視で比較できるようになっている。ある画像に対して類似の画像が複数ある場合は、別の専用ウィンドウで表示することもできる。

検索結果リスト、画像比較リストではファイルの削除、指定フォルダへの移動、ファイル名の変更といったファイル操作を行える。さらに、一画面内に二つのフォルダを同時に開き、両フォルダ間でドラッグ＆ドロップなどを行える「管理モード」もある。移動や削除を一括して行う機能もある。一括処理の条件として、

• リスト上でチェックしたファイル
• 差異度が「同等」の組み合わせ
• ユーザが選択した組み合わせ

個人的にちょっと興味を引いたのがExif情報の表示機能だ。二つの画像のExifデータを一つのウィンドウに並べて表示してくれるので、デジタルカメラで露出やホワイトバランス設定などを段階的に変えて撮影した画像を比較するようなケースでも、いちいち画像を切り替える必要がなく、並列して見比べることができる。

こうなると、いっそプレビュー画面の脇にExif情報を並べて表示してくれたらいいのになどと考えてしまうのはデジカメマニア的な発想というものだろうが、これまで画像比較ソフトといえばリサイズしたりレタッチした画像のチェックといった用途しか頭になかったので、Exifの比較という点には新鮮な可能性を感じた。

実際に段階露光した画像で試してみたところ、類似画像と判定するにはかなり差異度を高めにしないといけないようだが、Exif情報に差がある部分を色分けして表示してくれるところなど、なかなか配慮されている。写真の整理段階から加工済み画像の確認まで、広い範囲で使えそうなソフトだ。

開発中に苦労した点
やはり画像を識別することでした。多量の画像を検索するときに、膨大な時間がかかってしまっては実用的ではないので、画像をいかに速く検索できるかということとのバランスもあわせて考えました。また、画像をどのように整理するかということにも重点を置いています。

ユーザにお勧めする使い方
見つけてほしい画像や整理方法は、人それぞれだと思いますが、一気にばっさり処理したい方は、一括処理でまとめて、また、重要なファイルなどを一つひとつ見定めて整理したい方でも、ファイルの情報を見比べたり、撮影情報やフォルダなどの内容を表示したりできるようになっています。

今後のバージョンアップ予定
画像の識別や、整理方法を含めた全体として使い勝手のよいソフトに向上させていきたいと思っています。