Windowsを使用しながら、システムを含めたバックアップを手軽に行えるソフト。新バージョン7.0では、従来からのバックアップソフトとしての使いやすさに、「差分バックアップ」「スケジューリング」など、数々の新機能が加えられ、さらに便利になった。「Acronis True Image」は、稼動中のシステム領域を含めたハードディスクのイメージ作成を、Windows上から手軽に行えることが特徴のバックアップソフト。ウィザード形式により、はじめてでも簡単にハードディスク/パーティション単位でイメージを作成(バックアップ)できる。復元も同様にウィザードで簡単に行える。さらに、ディスクイメージを仮想ドライブとしてマウントし、(パーティション単位などではなく)ファイルを個別に復元することも可能。起動用レスキューメディア(CD/FD)を作成すれば、パソコンがハードディスクから起動しなくなった場合でも、CDなどから起動・復元できる。
Ver.7.0では、Ver.6.0の持つこれらの機能に加え、大幅な機能強化がなされた。新たに追加されたのは、
- 差分バックアップ
- スケジューリング
- Acronisセキュアゾーン
- Acronisリカバリマネージャ
- イメージチェックツール
- 新しいディスクの配置
といった機能。「差分バックアップ」は文字通り、バックアップ元と前回作成したディスクイメージとの差分イメージのみを作成する機能。初回に、完全なイメージを作成すれば、2回目以降は短時間かつ少ないディスク容量でバックアップを行える。完全イメージ/差分イメージが同一フォルダ内にあれば、復元も簡単だ。「スケジューリング」は、指定日時1回のほか、日/週/月単位、コンピュータの起動/シャットダウン時、ログオン/ログオフ時にタスクを実行する機能。指定日時に自動的に起動し、処理後に終了する。例えば「日単位」であれば、「毎日」「平日」「×日に1回」の特定時刻を指定することが可能。指定日時1回、日/週/月単位の場合は「コンピュータの電源が切られていたときにのみ、再起動時にタスクを実行する」というオプションも利用できる。
「Acronisセキュアゾーン」「Acronisリカバリマネージャ」は、ディスクの一部破損などでWindowsが起動しなくなった場合、「Acronis True Image」を単独で起動し、環境を復旧しようというもの。「セキュアゾーン」は、通常のアプリケーションからアクセスできない保護機能付き領域をハードディスクに作成し、その領域にディスクイメージを保存する。【F11】キーを押しながらパソコンを再起動することで「リカバリマネージャ」が起動し、「セキュアゾーン」に保存されたイメージを利用して、環境を復旧する(あらかじめ機能の有効化などをしておく必要がある)。
「イメージチェックツール」は、作成したイメージにエラーがないかをチェックする機能。
「新しいディスクの配置」は、ディスク容量の不足などで、新しいハードディスクを追加する際に有効な機能。「Acronis Migrate Easy 6.0」を統合した形となる。元ディスクのWindowsシステム/アプリケーションを含めたクローンを新しいディスクに作成できる「ディスクのクローン作成」と、元ディスクにシステム/アプリケーションを残してディスクを追加する「新しいディスクの追加」がある。
そのほか、「ログの表示」機能も追加された。「スケジューリング」による自動実行をはじめとした「Acronis True Image」の操作状況を、あとから確認することができる。また、レスキューメディアの作成では、USB/PCカード/SCSIハードディスクのドライバを含む「完全版」と、これらを含まない「セーフ版」を選択できるようになった。