仮想的なCD/DVDドライブを作成し、そのドライブにCD/DVDのイメージファイルをマウントすることで、通常のCD/DVDドライブと同じように操作することを可能とする仮想CD/DVD作成ソフト。仮想ドライブソフトとして高く評価されている「デーモンツールズ(DAEMON Tools)」のエンジンを採用し、高い安定性と互換性を持つ。CD/DVDの仮想化では、まず既存のCD/DVDの全内容を読み取り、これをディスク上のイメージファイルとして保存する。一方、パソコン側にはあらかじめ「仮想ドライブ」と呼ばれるソフトウェア的なドライブを作成しておく。仮想ドライブは、エクスプローラからは実際のCD/DVDドライブと同じように見えるため、ここに先ほど作成したイメージファイルをマウントすると、あたかもそのドライブに実際のCD/DVDメディアが装着されたかのように見えるという仕組み。
イメージ化するメディアとしては、データ用のCD/DVDのほか、音楽CDやDVD-Videoなど、パソコンで利用できるCD/DVDであれば、ほとんどのものを利用できる。例えば、データ用のCDをイメージ化すれば、そのイメージを仮想ドライブにマウントすることでCD-ROMのように利用できる。また、音楽CDをイメージ化しておけば、イメージを仮想ドライブにマウントすることで、パソコン上で「仮想的に」音楽CDを再生できる。DVD-Videoの場合は、パソコン上でDVDを再生できるが、CSSによりプロテクトされたディスクはイメージ化できない。
いったんイメージを作成してしまえば、実際のCD/DVDドライブを持たないドライブでも、あたかもCD/DVDがあるように利用できるため、例えばノートパソコンのようにCD/DVDドライブを持たない環境や、CDドライブはあるがDVDドライブがないといった環境でも、CD/DVDを利用できる。仮想CD/DVDドライブは、最大63台(Windows XPの場合)まで作成できるので、複数のCD/DVDメディアを同時にアクセスしたい場合にも便利だ。
イメージ作成作業では、CD/DVDの全領域を読み込む必要がある。「SimDisc 3」では、従来より使われていた「RAWモード」に加え、新たに「DPMモード」と呼ばれる読み込みモードを備えたことで、より多くの種類のCD/DVDのイメージ化に対応する。イメージファイルのフォーマットとしては、オリジナルフォーマットの“.xmd”のほか、既存のCD/DVDライティングソフトで作成されるイメージファイルもそのまま利用できる。対応するのは「SimDisc」の“.sd2”、「CloneCD4」の“.ccd”、「DiscJuggler4」の“.cdi”、「AirDVD」の“.mds”、そして広く使われるISOイメージ“.iso”、cueシート付きイメージ“.cue”などだ。さらに、ディスク上の既存のファイルを指定して、それらからダイレクトにイメージファイルを作成する機能もある。
イメージファイルを仮想ドライブにマウントするのは、「SimDisc 3」の画面上でのドラッグ&ドロップで簡単に行える。また、イメージファイルを「SimDisc 3」のイメージ一覧でダブルクリックするだけで、あらかじめ指定した仮想ドライブ上にそのイメージをマウントする「クイックマウント」機能も利用できる。
複数のイメージファイルをまとめて1枚のディスクに書き込む「アーカイブイメージ」機能もある。これにより、作成したディスクをパソコンに装着することでランチャが起動し、ランチャからどのイメージを利用するかを選択するだけで、指定したイメージを仮想ドライブにマウントできる。そのほか、CD/DVDのラベルをデザイン/印刷できる「ラベルエディタ」、RWディスクの消去を行える「ディスクの消去」などの機能を搭載する。