「MoneyLook」で管理できる情報は多い。貯蓄関連では主要都市銀行、地方銀行など、オンラインバンキングをサポートする数多くの銀行のほか、郵便貯金にも対応。あらかじめログインIDやパスワードを「MoneyLook」に登録しておけば、残高や取引明細といった情報を自動的に取得し、画面に表示してくれる。ID/パスワード以外に乱数表などを必要とする銀行にも対応し、ユーザはログイン時に個別の情報を入力する必要がない。

クレジットカードについては、利用状況の詳細や引き落とし日、引き落とし口座など、毎月カード会社から送られてくる明細書に記載されているような内容をそのまま取得できる。証券口座の情報取得もサポートし、所有する株式や証券の総額や取引状況もわかる。これらさまざまな情報は、「MoneyLook」の口座一覧画面で一括して確認することが可能。複数口座の場合も、ブラウザを複数開いて見比べる必要はない。

口座情報は、画面に表示するほか、プリンタで印刷することも可能。また、Excel形式でファイル出力することも可能で、Excel上でデータ管理を行ったり、資産運用のシミュレーションを行ったりすることもできる。Excelを使わない場合でも、現金/証券/債権の比率をグラフ表示できるなど、簡単な分析機能を備えている。

口座に対して操作を行いたい場合には、ログインボタンを押すことで各口座のオンライン取引画面にワンタッチでアクセスできる。この際、パスワードなどは「MoneyLook」に登録されたものが自動的に使われ、ログインIDなどを用意しておく必要はない。

ただし、これらオンライン取引の画面は、IDやパスワード、操作方法などがまちまちで、複数の口座を持っている人はそれぞれの操作方法をすべて記憶しておかねばならない。銀行の口座などは、よほどの資産家でもない限り10も20も所有していることはないと思うが、クレジットカードなどは、複数所有している場合も多いのではないだろうか。特定ショップ向けのクレジットカードなどは、そのカードを使ったときだけ割引になるとか、ポイントが付くといった特典があるためだ。最近は会費無料のクレジットカードも増えているため、筆者も数枚のカードを所有している。

しかし、こうなってくると、どのカードがいつ、いくらの引き落としになるかを調べるのが大変だ。クレジットカードの引き落とし日は意外にばらつきがあるものだし、明細が届く日もまちまちだ。それらすべての管理を行うのはかなりの苦労となるし、仮にオンラインで調べられるとしても、IDやパスワードの管理が大変だ。

「MoneyLook」は、こうした悩みを一挙に解決してくれる非常に便利なツールである。このソフトは、ユーザが持つ各口座に対して、すべて共通のユーザインタフェースで操作することを可能にするからだ。つまりユーザは、口座ごとに異なる操作方法を覚える必要はない。たったこれだけのことでも（実は結構、高度なことなのだが）、ユーザにとっての負担は大幅に減るはずだ。その上、銀行や証券、クレジットカードの残高などを「串刺し」的にひとつの画面で見られるというのだから、こんな便利なことはない。

複数の口座、複数のクレジットカードを常用している人にとっては、必須といえるソフトだ。

開発において最も苦労した点はやはり、各金融機関のサイトの分析です。このサービスは特に金融機関とデータ連携をしているわけではなく、弊社で実際に口座を開き、サイトの分析を行うことにより必要な情報を抽出しています。しかし、金融機関によって実にさまざまなパターンがあるため、場合によってはユーザのみなさまに情報提供などのご協力をいただきながら対応することもあり、まさにユーザのみなさまに育てていただくソフトです。

また、大切な情報を扱うソフトであることから、セキュリティ面には留意しております。登録したID、パスワードなどの重要な情報は、パソコン上に強固なアルゴリズムで暗号化されて保存される仕組みを採用し、第三者に大切な情報を預ける必要がないものにしておりますので、安心してご利用いただけると思います。

給料日などに口座の残高や明細を確認したり、ご自分がお持ちの株式の時価を毎日チェックしていただくだけでなく、ソフト上から各金融機関に自動ログインする機能もありますので、このソフトさえ立ち上げておけば、実際に取引をする場合も非常に便利です。取得したデータをExcel形式に出力する仕組みもありますので、情報を加工して家計簿としてご利用いただくことも可能です。

対応金融機関については、ユーザのみなさまのご意見を聞きながら、どんどん追加してゆきたいと考えております。金融機関だけでなく、公共料金の支払い明細など対象を増やしたり、「Yahoo!版」ならではの機能として、オークションと連動した機能なども追加してゆく予定です。ご期待ください。