「Motion Fotografia」の紹介
「Motion Fotografia」は、弊社が誇る最新の3Dエンジン技術を駆使して作られたフォトイメージのビジュアライゼーションツールです。従来から、ユーザが手持ちの写真素材を管理して、スライドショウとして見せたり、スクリーンセーバにするといったソフトウェアは数多く存在します。しかしながら、それらの多くは、基本的に2Dのエフェクトであり、エフェクトの表現力もある程度限られたものでした。そこで弊社では、全面的にリアルタイム3Dの技術を導入し、ビジュアルエフェクトの表現能力を3次元の世界に拡張することにしたのです。
「Motion Fotografia」の特徴
「Motion Fotografia」では、この優れた表現能力を活かすべく、20種類以上にも及ぶアニメーションエフェクトが用意されております。それらのすべては、緻密な計算に基づいてデザインされており、ユーザの写真素材を効果的に見せることで、非常にインパクトのあるビジュアライゼーションを実現します。また、ユーザがお持ちのサウンドファイルをシーン中に取り込むこともできますので、VJソフトのような使い方も可能です。
写真素材等を割り当てるためのツールは、ユーザビリティを重視して設計されており、非常にシンプルな手順でアルバムクリップを作成することができます。このツール上で、アニメーションのテーマを選択したり、再生速度やバックパターンのカスタマイズをしたりが可能となっております。
「Motion Fotografia」のテクニカルフィーチャー
「Motion Fotografia」では、メガデモなどで使われている、3Dゲームエンジンに匹敵するほどの技術が詰め込まれております。一般的には、3Dのゲームなどでは、Direct3Dが用いられますが、スクリーンセーバとしての安定性を重視するため、今回はOpenGLを使用して作りました。OpenGLを使用することのデメリットとしては、Direct3Dでは開発キットにあらかじめ含まれている便利な機能も、OpenGLではすべて自前で開発しなければならないという点があります。
例えば通常、3Dゲームなどでは、グラフィック描画能力の低いマシン上でプレイすると、非常にカクカクとした動きが目立ってしまいます。Direct3Dの場合、SDKに含まれるアニメーション補間の機能を利用すれば、この問題を解決できます。しかし、今回はクォーターニオンの補間機能を独自に用意することで、マシンの性能にかかわらず、アニメーションのクォリティを維持するように設計しました。その結果、3Dのアプリケーションとしては、非常に広範囲の動作環境に対応することができました。
一方で、ハイエンドなグラフィックカードにおいては、見た目上のクォリティも向上させることができるように、OpenGLの拡張機能であるマルチサンプリング機能による、FSAA(フルシーンアンチエイリアシング)にも対応しております。この機能をONにすれば、ポリゴンのエッジのクォリティを向上することができます。
今回は、3Dのシーンに命を吹き込むともいわれるライトエフェクツのデザインにも注力しました。しかし、ハードウェアスペック上の制約にも対応するため、OpenGLの固定機能ライトを使用しました。そのため、ライティングでは(若干ハイライトが強すぎるなど)いくらかの妥協をせざるを得ませんでした。現在、プログラマブル頂点シェーダによる、カスタムライトシェーダの実験も行われております。この機能が実現されれば、ライティングの表現能力が大幅に向上することが期待されます。
最後に、テーマやバックパターンの追加は、今後も随時行われる予定です。プログラム本体の改良や機能追加も続けて行ってゆく予定ですので、ぜひとも「Motion Fotografia」のユーザサイトをご覧下さいますようお願い申し上げます。今後ともご期待ください。
((株)ゼン)