「小町文庫」の大きな特徴は、実際の本・本棚を模した外観と、読みやすさに配慮された操作性の高さ。「本棚」ウィンドウで「本を追加」することにより、指定したテキストファイルが「本棚」に追加され、すぐに読めるようになる。ひとつの本棚には、100冊までの本を登録することが可能。複数の本棚を作成することが可能で、分野別などで使い分けられるようになっている。本棚ウィンドウのデザインは、あらかじめ用意された2種類（柾目調/節目調）から選択できるほか、ユーザ定義により、好みの画像を使うことも可能だ。

読み込めるファイルは、プレーンテキスト（TXT）、HTML（HTML/HTM）、リッチテキスト（RTF）と、「小町文庫」専用タグで書式設定された小町テキスト（KTX）の各形式。小町テキストでは、本の中にBMP/JPEG/PNG、WMVなどの静止画/動画ファイル、WAV/MIDIなどの音声ファイルを挿入することが可能。アイコン表示される動画/音声ファイルは、ユーザがクリックするとファイルを再生する仕組みになっている。そのほかにもルビや注釈文の挿入、改行、改ページ、目次などを設定できる。

本の読む際には、マウスクリック、カーソルキー、ボタンクリックで、前後のページや先頭・最終ページへの移動をすばやく行える。もちろん、本にブックマークを設定しておくことも可能だ。また、ユーザがブックマークを設定しなくても、最後に閉じたページが自動記憶されるため、次に本を開いたとき、すぐに中断したページから読みはじめられる。一定間隔でページを自動送りさせる機能もある。

縦書きビューアいくつか使ったことがあるが、「小町文庫」の場合は本が複数管理できるのがうれしかった。ネットでおもしろそうな読み物を見つけたら、途中まで読んでいた本にしおりを挟んで、新しいものをちょっと開いてみるという使い方ができるのだ。読むのを中断した本は、またその位置から開くことができるので安心だ。ネットの連載小説などを複数読んでいると、こういう機能はとても便利に感じる。それにお気に入りの本が棚に増えていくのは、ちょっぴり充実感がある。HTMLタグの編集ができる人なら、読み物を自分好みのレイアウトにしてみるのもいいし、自作の本を作ってみるのも楽しそうだ。

秋の行楽のお供には手になじむ文庫本も捨てがたいけれど、サブノートに本を詰めてもって行けばメールも使える……と思っている筆者はネット中毒なのかもしれない。

なお、Ver.2.06を筆者と編集部の確認した範囲では、一部の環境で実行時にメモリエラーが表示される場合があったことをご報告しておく（使用上は問題なかった）。

せっかく作るなら、本棚もあった方がいいなあ。 本の装幀なんかも自由に設定できて、きれいに飾れたら、本を読むのもきっと楽しいに違いない！　挿し絵も入れたいし、挿し絵があるなら元の画像も見られるようにしたいし、スライドショウもやりたいし、動画や音声も扱えたらいいなあ。ルビも振れて注釈文も入れられて、目次なんかもあったら便利だし……。いざ作りはじめたら、そんな風に次から次へと欲が出てきて、多機能でマルチメディアなソフトになりました。でも、まだまだほしい機能はたくさんありますから、これからもどんどんバージョンアップしていきたいと思っています。本を読むのもよし、アルバムに使うのもよし、使い方はあなた次第です。 ぜひご愛用ください。

サポートサイトでは、小町文庫で読めるテキストを収録した「小町図書館」や、装幀などに使える素材をダウンロードできる「小町素材集」など、ユーザサービス体制も整えておりますので、ぜひそちらの方へもお立ち寄りください。