CD-R/RWにデータを書き込むライティングソフトは、「Easy CD & DVD Creator 6」の例を挙げるまでもなく、DVD±R/RWにも対応するのが当たり前になってきた。CD-R/RWの場合、その用途はデータ用CDと音楽用CDがほとんどで、ちょっとニッチな使い方でもせいぜいVideo-CDくらいというように、その用途はもはや決して広いとはいえない。このため、ここ最近のライティングソフトの機能向上にはやや失速感が漂っていたものだ。最終的には「メディアを作る」ことが目的であるライティングソフトにとっては、そのメディアが本来持ち得る以上の機能を搭載しても、単に「おまけ」が増えるだけで意味はない。DVD登場以前のライティングソフトの場合、もはや機能向上の限界までたどり着いていたといえるだろう。しかしDVDが登場して以来、状況は大きく変わった。なにしろ「多目的」といわれるだけあって、DVDの用途はCDに比べてかなり広範囲にわたる。例えば、動画DVDひとつとっても、複雑なメニュー作成や動画エンコードのように、新たに要求される機能は多岐にわたるのだ。これは、どことなく閉塞感が漂っていたライティングソフトの世界において、まさに新風を吹き込むものといえるだろう。
「Easy CD & DVD Creator 6」──“The Digital Media Suite”の機能がここまで多岐にわたるのは、まさにこのDVD効果といってもよいだろう。とりわけ、オーサリング機能を搭載した「DVD Builder」の機能の充実度はすごい。ビデオキャプチャやメニュー作成など、これまでは専門のオーサリングソフトが必要だったはずの機能をライティングソフトに取り込んでいるのだから。今回のバージョンは、これまでノバージョンアップとはひと味違う、まさに大きなステップアップといえるのではないだろうか。
(天野 司)