「FlyingChara」は、あらかじめ登録してある文字列を作業中の文書に貼り付けられる入力支援ソフト。登録語をダブルクリックするだけで、直前にアクティブだったウィンドウに直接貼り付けることができる。登録してある定型句のほか、クリップボード履歴や日付、電卓を使った計算結果も貼り付けられる。

定型句の登録には「標準」と「辞書」の2種類のカテゴリーが用意されている。「標準」リストは比較的使用頻度の高い語句の登録を想定したもので、さらに三つのグループ分けが可能。登録は、直接入力やクリップボードから行えるほか、他のアプリケーションで選択している語句をそのまま取り込んで行うこともできる。「辞書」はデータベースのように多くの語句を登録しての利用が想定されたもので、あらかじめ「ことわざ」「ビジネス文書」「記号」「顔文字」の辞書が用意されている。ユーザが各辞書を編集することや、新規辞書を作成して利用することも可能だ。

タブ切り替え式を採用したコンパクトなメイン画面では、「標準」「辞書」ともに、読み込むファイル（機能）がグループ管理される。「標準」には、「お気に入り」「クリップボード履歴」「日付」といった機能がある。「お気に入り」への登録は、「標準」リストと同様の方法に加え、「辞書」から使った語句を自動的にコピーして行うことができる。「クリップボード履歴」は文字通り、クリップボードの履歴を登録語と同様に管理できるもの。「日付」は、現在日時/時刻はもちろん、1年前、1ヵ月後、3日後といった日付も貼り付けられる機能。書式はユーザが自由に設定できる。

細かな部分に目を移しても、貼り付け時に改行コードを付加することができたり、「標準」リストには重複登録しない設定ができたり、あるいはリストの中に区切り線が使えることなど、使い勝手をよくする工夫がいくつも施されている。メイン画面を自動的に隠すこともできるので、使っていないときに邪魔になることもない。クリップボード履歴の順番を入れ替えたり削除したりという管理ができることも、単純なクリップボード監視ソフトに対するアドバンテージになっている。

全体的によくまとまったソフトだと思うが、辞書メンテナンスの操作は最初ちょっと戸惑う人もいるだろう。「標準」のリストと操作に共通性を持たせた方が扱いやすいかもしれない。また、タスクトレイアイコンから、例えば「お気に入り」リストをポップアップさせて貼り付けるなどの機能があれば、さらに便利になるかなと感じた。

「え〜い、めんどくさいっ！」

で、電卓ソフトをゲット。ふむふむ。こいつは便利。これでパソコン君の横にいつも肩を並べていた電卓は必要なし。よしよし。が、しばらくすると、電卓ソフトで計算してクリップボードへコピー。次に入力アプリケーションに戻って貼り付け。

「え〜い、めんどくさいっ！」

メールを書くのに顔文字を貼り付けるソフトがあるって聞いたけど、そんな風にこの電卓の答えも貼り付けばいいのに……。

●仕事で社外文書を書くとき、メールを書くとき、「失礼のないように。慎重に……。え〜っと、時候の挨拶は……？？？」。こういう決まり文句みたいなものも登録しておいて簡単に使えないかなー。

というわけで、このめんどくさがり病を癒してくれるソフトを探しに探し回りましたが、どうしても見つけることができずに自分で作ることにしました。「FlyingChara」はこんな思想で生まれました。

「FlyingChara」はプライベートにビジネスに、メールにデータ入力にと利用するシーンを特定していません。が、ぜひ、仕事でのデータ入力に使ってみてください。業務ソフトのデータ入力は、マウスを使わずにキーボードだけで操作できるよう設計してあるものが多いのではないでしょうか？　「FlyingChara」は逆にキーボードは使わず、マウスだけで入力できないかなぁ、と考えて作っています。