「My PC セキュリティ」は、データファイルを暗号化したりメディアファイルへのカムフラージュ（偽装）を施すことで、第三者からファイルを見られることを防止し、安全性を高められるセキュリティソフト。暗号化には、国際規格に準拠した最新暗号化技術「PKIテクノロジー」や、独自開発の「A/BKey暗号化アルゴリズム」が使われている。

メイン画面は、左ペインにフォルダツリー、右上ペインにファイルリスト、右下ペインにはワークスペースの、エクスプローラライクな3ペイン構成。フォルダツリー部とファイルリストは、それぞれエクスプローラの左右ペインの機能と同等の機能に加え、ZIPファイルの圧縮と展開（解凍）、RAR/ARJ/TAR形式の展開をサポートしている。ワークスペース部では、暗号化またはカムフラージュ処理を施したいフォルダまたはファイルの登録を行える。

暗号化や復号化の際に使われる証明書に登録される「AKey」「BKey」と呼ばれる2段階のアクセスパスワードは、初回起動時に設定する。証明書は「My PC セキュリティ」をインストールしたパソコン以外に、メモリカードなどのリムーバブルメディアで持ち運んで使うことができる。証明書は何度でも作成し直せるが、作成し直すと、以前の証明書で作成した暗号化ファイルやカムフラージュファイルは開けなくなる。

暗号化機能は、「パスワード」「PKI」から選択できる。「パスワード」を選択すると、「My PC セキュリティ」のインストールされていないパソコンでもパスワード入力で開けるようになる「自動実行ファイル」機能や、暗号化済みのファイルをメール添付できる「メール」機能を利用可能だ。一方「PKI」は、「AKey」「BKey」を利用した高度な暗号化を施せる。なお、ワークスペースに複数のファイルを登録した場合は、まとめて暗号化されるため、個別ファイル単位で行いたい場合は1ファイルずつ作業を行う。また、カムフラージュ機能では、BMP/ICO/EMF/WMF形式のファイルを指定して偽装できる。なお、暗号化、カムフラージュともにファイル圧縮を同時に行うことが可能だ。

暗号化したファイルを開く際にはパスワードが必要で、不正に開かれたとしても、意味不明の文字が表示されるだけと安心だ。カムフラージュ化により、画像ファイル名がついたファイルの実態が、重要なファイルだと思われることも少ないだろう。

リムーバブルメディアに証明書を保存できる機能もありがたい。証明書をパソコンに保存しなければ、利用の際に該当リムーバブルメディアが必要になり、安全性が高くなる。

インターネット時代を迎え、重要ファイルを添付ファイルとしてメールで送信することもあるだろう。暗号化して添付し、復号用パスワードを相手に伝えておけば、いろいろなサーバを送信データが経由しても、安全性が高くなる。

エクスプローラが備える機能を内包している点も大きな魅力。基本的なファイル管理機能を備えているので、暗号化・カムフラージュ化が必要なときだけ「My PC セキュリティ」を起動するのではなく、ファイル管理ツールとして常用することが可能だ。データファイルの安全性を高めたいユーザにはピッタリのツールである。

「My PC セキュリティ」は、簡単な操作でファイルを暗号化します。個人で作成したさまざまなファイルは、パスワードだけでは安全とはいえません。他人にのぞき見されないようにセキュリティを万全にするには、先進の暗号化技術を使ってきっちりとガードしておくことが必要です。ほかのパソコンで使いたい場合は、スマートメディアなどの外部メディアへ暗号キーを保存して、認証キーを持ち運ぶこともできます。自分の大切なデータは「My PC セキュリティ」で暗号化してしっかり守りましょう。