ソフトを開発しようと思った動機、背景
開発メンバーはみな、すごい天邪鬼でして、世の中のトレンドとは反対方向へ反対方向へと歩いてきました。それでたどり着いたのが「ボトルメール」の発想なのです。《役に立たないもの》
「ボトルメール」が生まれたのは1997年でした。このころは、日本でもビジネスマンがドカドカとインターネットの世界にやって来て、「金目のものがないか」とウロウロしはじめてきたんです。なので、彼らが嫌いな、究極に役に立たないツールは何だろうと考えていました。それが、いつ、誰に届くかわからないメールシステムのアイデアに繋がりました。
《海といえば、浜辺でゴロゴロ》
当時は「ネットサーフィン」なんて言葉がありまして、9,600bpsの低速回線でちんたらWebブラウズすることが、なんかカッコいいような、情報に積極的に関わっていくような、すごくアクティブなイメージが先行していました。さすが、肉ばかり食べている人は違いますね。海でサーフィンなんて、かなり体育会系です。私たちは、海といえば、ビールを飲みながらゴロゴロするのが大好きでして、海を前にのんびりとくつろぎたいと思っていました。
《コンテンツはみんなに作ってもらう》
当時の企業は「とにかくたくさんの登録者を集めちゃえば、あとは何とかなる」とか、「とにかく早くユーザを獲得しないとダメ」みたいな能天気とも脅迫観念とも思えるような勢いで、Webのコンテンツを大金をはたいて拡大し続けていました。しかし、新しいユーザ層を獲得するには、また新しいコンテンツを開発するのにお金をかけなければいけないという悪循環に陥っていました。売上高はすごいくせに、利益がほとんどない商社みたいなもんです。で、私たちはそのコンテンツ制作を行うことを放棄しました。お金もないし……。目指したのは電話会社です。電話でやりとりしているのは、おしゃべりというコンテンツです。コミュニケーションは最高のエンターテイメントだと思います。これをネットに置き換えるとどうなるか? 「メーラをエンターテイメントに利用しちゃえば、めちゃおもしろい」──そう思いました。
開発中に苦労した点
開発中どころか、それ以前も、そして今も苦労の連続です(^^;
実は「ボトルメール」、ご存知の方も多いと思うのですが、2002年3月に一度サービスを停止しています。それまでは、リクルート社の研究開発部門で運営していたのですが、その部署の閉鎖にともない、サービス停止に至りました。しかし、ユーザさんの叱咤激励に意を決し、「ボトルメール」の権利を退職金で手に入れ、ボランティアメンバーの開発と運営で何とか生き残っています。
ユーザにお勧めする使い方
の〜んびりとボトメしましょう! 返事がなかなか来ないとか、1日ソフトの調子が悪いとすぐ問い合わせるとか、みなさん焦りすぎでーす。翌日、あるいはその次の日にはきっと大丈夫なはずです。たぶん。(^^;
今後のバージョンアップ予定
詳細はまだヒミツですが、「めざせamazon」を合言葉に、愛されるボトメをたくさん流してくれた方には、それなりの敬意を表して、ほかのユーザさんにもそれがわかるような仕組みを導入の予定です。
((有)情報建築)